アメリカ人コンセプチュアルアーティスト、ジョセフ・グリグリー(Joseph Grigely)による作品集。

本書は、作者による、約40年にわたる執筆、講義、インタビュー、そして作品に関する資料をまとめた一冊である。10歳で聴覚を失った作者は、写真、手書きのメモ、読唇、新聞の見出し、絵画、テレビ字幕など、さまざまなコミュニケーションの形式を用いながら、それらを問い直し、文化やメディアの制作に埋め込まれているエイブリズム、つまり障害のない身体を前提とする価値観を検証してきた。ソフィ・カル(Sophie Calle)宛のポストカード・シリーズでは、障害とアートの交差についての理論を初めて構想し、また講義「失敗について(On Failure)」では、詩人ジョン・キーツ(John Keats)、フライフィッシングの技術書で知られるヘレン・ショウ(Helen Shaw)、映画監督アンドレイ・タルコフスキー(Andrei Tarkovsky)を同じテーブルに招くかのように並置し、美についての対話を展開する。作者の文章は博識でありながら明晰で、義憤を帯びつつも乾いたユーモアを備えている。

全体を通して通底する主題の一つは、アクセスのあり方である。アクセシビリティをめぐる問題とその解決は、障害のある人々だけでなく、すべての人に利益をもたらすという視点が提示される。アート、アクセス、アドヴォカシー(権利擁護)に関する章では、これらの問題が相互に結びついていることが、ときに苛立たしいほど複雑でありながら、最終的には示唆に富むかたちで明らかにされる。苦情の手紙、ファックスや電子メール、未発表の論説、展覧会企画書、平等やアクセスに関する声明などが収録され、それぞれがアクセスを開くという入り組んだ過程のなかで、作者の仕事がどのように形づくられてきたのか、あるいはそこから構築されてきたのかを垣間見せる。

本書の終盤には、いくつかの視覚的目録が収められている。アクセスの欠如を示す事例を記録した画像群や、「Obituaries」と題されたセクションでは、障害を持っていた人物や、障害者のためのアクセス向上に取り組んだ活動家たちを紹介している。

作者は、アーティスト、教育者、そして活動家であり、現在「シカゴ美術館附属美術大学(School of the Art Institute of Chicago)」で視覚・批評研究の教授を務めている。オックスフォード大学で英文学のDPhil(博士号)を取得し、「ギャローデット大学(Gallaudet University)」、「スタンフォード大学(Stanford University)」、「ミシガン大学(University of Michigan)」などで教鞭を執ってきた。アメリカおよびヨーロッパで広く展覧会を開催しており、近年の展覧会「In What Way Wham?」は2023年から2024年にかけて「マサチューセッツ現代美術館(MASS MoCA)」で開催された。作品は「ニューヨーク近代美術館(Museum of Modern Art)」や「ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)」、「テート・モダン(Tate Modern)」、「アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum)」などのコレクションに収蔵されている。

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OTHERHOW: ESSAYS AND DOCUMENTS ON ART AND DISABILITY 1985-2024

2026

¥ 6,600 (税込)

アメリカ人コンセプチュアルアーティスト、ジョセフ・グリグリー(Joseph Grigely)による作品集。

本書は、作者による、約40年にわたる執筆、講義、インタビュー、そして作品に関する資料をまとめた一冊である。10歳で聴覚を失った作者は、写真、手書きのメモ、読唇、新聞の見出し、絵画、テレビ字幕など、さまざまなコミュニケーションの形式を用いながら、それらを問い直し、文化やメディアの制作に埋め込まれているエイブリズム、つまり障害のない身体を前提とする価値観を検証してきた。ソフィ・カル(Sophie Calle)宛のポストカード・シリーズでは、障害とアートの交差についての理論を初めて構想し、また講義「失敗について(On Failure)」では、詩人ジョン・キーツ(John Keats)、フライフィッシングの技術書で知られるヘレン・ショウ(Helen Shaw)、映画監督アンドレイ・タルコフスキー(Andrei Tarkovsky)を同じテーブルに招くかのように並置し、美についての対話を展開する。作者の文章は博識でありながら明晰で、義憤を帯びつつも乾いたユーモアを備えている。

全体を通して通底する主題の一つは、アクセスのあり方である。アクセシビリティをめぐる問題とその解決は、障害のある人々だけでなく、すべての人に利益をもたらすという視点が提示される。アート、アクセス、アドヴォカシー(権利擁護)に関する章では、これらの問題が相互に結びついていることが、ときに苛立たしいほど複雑でありながら、最終的には示唆に富むかたちで明らかにされる。苦情の手紙、ファックスや電子メール、未発表の論説、展覧会企画書、平等やアクセスに関する声明などが収録され、それぞれがアクセスを開くという入り組んだ過程のなかで、作者の仕事がどのように形づくられてきたのか、あるいはそこから構築されてきたのかを垣間見せる。

本書の終盤には、いくつかの視覚的目録が収められている。アクセスの欠如を示す事例を記録した画像群や、「Obituaries」と題されたセクションでは、障害を持っていた人物や、障害者のためのアクセス向上に取り組んだ活動家たちを紹介している。

作者は、アーティスト、教育者、そして活動家であり、現在「シカゴ美術館附属美術大学(School of the Art Institute of Chicago)」で視覚・批評研究の教授を務めている。オックスフォード大学で英文学のDPhil(博士号)を取得し、「ギャローデット大学(Gallaudet University)」、「スタンフォード大学(Stanford University)」、「ミシガン大学(University of Michigan)」などで教鞭を執ってきた。アメリカおよびヨーロッパで広く展覧会を開催しており、近年の展覧会「In What Way Wham?」は2023年から2024年にかけて「マサチューセッツ現代美術館(MASS MoCA)」で開催された。作品は「ニューヨーク近代美術館(Museum of Modern Art)」や「ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)」、「テート・モダン(Tate Modern)」、「アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum)」などのコレクションに収蔵されている。

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取り扱い twelvebooks
サイズ 25.4 x 19.7 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100052169
出版 PRIMARY INFORMATION
著者 Joseph Grigely
ISBN 9798991036719
配送までの期間 ご注文確定後、2-7日以内
カテゴリー
送料 ¥770(税込)
購入条件