アメリカ人アーティスト、ジョン・バルデッサリ（John Baldessari）の作品集。作者の全作品を網羅するカタログレゾネの第2巻。

本書は400点以上の作品を収録し、1975年から1986年にかけての作品の変遷と発展を辿る一冊となっている。1975年に制作された「Strobe」「Word Chain」「Pathetic Fallacy」シリーズ、 1976年の「Violent Space」「Concerning Diachronic/Synchronic Time: Above, On, Under (With Mermaid)」、1977年から1978年にかけて取り組んだ「Blasted Allegories」など、写真を使用した作品やテレビ映像のスチール写真を収集したシリーズが主に収録されている。

1980年の「Fugitive Essays」シリーズ三部作を皮切りに、1982年にはグリム童話を写真で解釈した作品など、1980年代に入ってからの作風の変化を感じさせ、夢や心理学、映画、大衆文化などからインスピレーションを受けた作品を制作し始めたことが見て取れる。さらに、1984年から1986年にかけては、写真に写った人物の顔の上に円形の色面をペイントした、以後作者を象徴する作風にもなる作品群を制作する。

本書では、この時期の作品と歴史的背景を比較して著された序文を収録。また、年表と展覧会の記録、参考文献もあわせて掲載されている。

全巻を通して、エディトリアル・ディレクターはロバート・ディーン（Robert Dean）、リサーチ・エディターはパトリック・パルド（Patrick Pardo）が担当する。