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 谷澤紗和子は、西洋男性中心主義的な美術史において、主に「女性の家庭内での手仕事」として周縁化されてきた「切り紙」という媒体の持つ批評的な可能性や、生と死、愛、痛みといった生(性)の根源的な領域への想像や妄想をテーマに制作している。

 

 このドローイング作品では、女性の顔のパーツが、「痛」という赤い漢字に置き換えられているように見える。だがよく見ると、漢字を構成する「マ」の部分が「女」になっている。マレーシアのフェミニストグループによる創作漢字を参照したものだ。儒教文化圏では、「女」がつく漢字はネガティブな意味が多い。言語に潜む性差別をあぶり出すと同時に、あえて「女」の字に置き換えることで、父権的な支配言語を自分たちの手に取り戻し、軽視されがちな女性の痛みについて訴えるという意志を込めている。

 

 谷澤の作品では、この創作漢字を女性の顔に置き換えることで、女性たちが被ってきた性暴力、性差別、様々な社会的抑圧を告発すると同時に、被害者が「固有の顔貌を奪われ、匿名化され、人間としての尊厳を踏みにじられた存在であること」を鋭く可視化している。また、漢字を構成する線は呪符や組み紐文様のようにも見え、呪術性や手工芸性を強めている。(高嶋慈)

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谷澤紗和子

女の痛み

2019

¥ 44,000 (税込)

 谷澤紗和子は、西洋男性中心主義的な美術史において、主に「女性の家庭内での手仕事」として周縁化されてきた「切り紙」という媒体の持つ批評的な可能性や、生と死、愛、痛みといった生(性)の根源的な領域への想像や妄想をテーマに制作している。

 

 このドローイング作品では、女性の顔のパーツが、「痛」という赤い漢字に置き換えられているように見える。だがよく見ると、漢字を構成する「マ」の部分が「女」になっている。マレーシアのフェミニストグループによる創作漢字を参照したものだ。儒教文化圏では、「女」がつく漢字はネガティブな意味が多い。言語に潜む性差別をあぶり出すと同時に、あえて「女」の字に置き換えることで、父権的な支配言語を自分たちの手に取り戻し、軽視されがちな女性の痛みについて訴えるという意志を込めている。

 

 谷澤の作品では、この創作漢字を女性の顔に置き換えることで、女性たちが被ってきた性暴力、性差別、様々な社会的抑圧を告発すると同時に、被害者が「固有の顔貌を奪われ、匿名化され、人間としての尊厳を踏みにじられた存在であること」を鋭く可視化している。また、漢字を構成する線は呪符や組み紐文様のようにも見え、呪術性や手工芸性を強めている。(高嶋慈)

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取り扱い HAPS KYOTO
エディション unique
サイズ 26.5 x 19.0 x cm
素材 紙にペン
商品コード 1100020257
著者 谷澤紗和子
配送までの期間 2〜3週間程度
備考 額込
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