アメリカ人アーティスト、ソル・ルウィット（Sol LeWitt）の作品集。作者は、1960年代から1970年代にかけて、線と色彩を用いたシリーズを制作しており、その発表の機会として、1977年に「LISSON GALLERY」で開催された展覧会「New Works: Structures & Early Working Drawings」に伴い刊行された一冊。

作者による複雑かつ、形式的に多様な視覚作品を生成するシンプルな概念的変数を利用した、厳密なプロセスを元にして制作する手法の一例として位置づけられる作品。1969年の『Four Basic Kinds of Straight Lines』と、1971年の『Four Basic Colours and Their Combinations』 という2つの既刊出版物を合わせた作品集である。

基本的な4種の線（水平、垂直、左向きの斜め、右向きの斜め）を4つの別々の色（赤、黄、青、黒）で表現する34の方法を示し、各ページに1つの組み合わせ（例えば水平線を青で描く）を提示している。各見開きの左ページは4種の線を可能な全組み合わせで制作された白黒のドローイングを、右ページには4色を組み合わせたシステムのドローイングが収録されている。冒頭2ページは、その後に続くすべての順列を概観するキーとなる作品が掲載されている。

アメリカにおけるコンセプチュアリズムの創始者であり、その初期の理論家の一人である作者が、芸術作品そのものよりも作品のアイデアと論理的定式化を重視したことは周知の事実である。そのような論理に対する固執が、美的に優れた作品の創造を妨げるのではないかと疑うこともできるかもしれないが、本書で見られる作者の努力による作品群が、その疑念が思い過ごしにすぎないことを証明している。

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