YOD Gallery(東京店) 「橋本ユタカ 個展 Study for Null #008」出品作品。

このたび YOD Gallery(東京・天王洲)では、2026 年 10 月 10 日(土)より 10 月 24 日(土)まで、橋本ユタカによる個展 「Study for Null #008」を開催いたします。

橋本ユタカが探ってきたのは、「人」の姿そのものではなく、私たちが何を手がかりに像を認識し、意味づけているのかという問題 です。数本の線、形の配置、輪郭、姿勢や動き。それだけでも、私たちはそこに人を見ることがあります。誰であるかは分からなくても、 人であることは分かる。「誰なのか分からないのに、なぜ人であることは分かるのか」。橋本は現在、この問いを探求しています。

その背景にあるのは、異なる人同士が、それでも何かを共有することはできないだろうか、という問いです。すべての人に同じ快 や不快を感じさせることはできない。しかし、快でも不快でもない「分からない」という感覚であれば、一瞬だけでも共有できるの ではないか。橋本は、違いを消したり乗り越えたりするのではなく、違いを持ったまま共に存在する可能性を、この「分からなさ」 のなかに見ています。

見覚えがあるようで特定できない人物像、複数の線や情報の重なり、そして「人」と「肉の塊」のあいだを往還する不定形な身体。 橋本はこうした像を通して、一つのイメージが「何か」として立ち上がる以前の、不安定な知覚の状態を絵画のなかに生み出します。 そこでは、鑑賞者は作品の意味を受け取るだけでなく、自らの記憶や経験を手がかりに像を読み取り、「何を見ているのか」を繰り返 し問い直すことになります。

シリーズ名「Study for Null」は、《無のための習作》を意味します。橋本にとって「無」とは、何も存在しない状態ではありません。 異なるものを一つに統一することでも、差異そのものをなくすことでもなく、それぞれの違いが優劣や正誤によって選別されること なく、そのまま同時に存在できる状態を指します。そして作品は、その「無」そのものではなく、そこへ向かうための習作として置 かれています。
本展では、橋本がこれまで探求してきた「人」の図像を、運動と時間という視点からあらためて捉え直します。中心となるのは、 写真家エドワード・マイブリッジの連続写真を参照し、12 枚の紙で一連の動きを構成したドローイング作品です。

時間のなかで変化する人物の輪郭を重ねることで、一つひとつの像は部分的に失われながら、同時にそれまでとは異なる像を立ち 上げていきます。

それは、橋本が以前「人は布を纏った肉の塊である」という考えから描いていた不定形な身体像への再接続でもあります。かつて 橋本は、皮膚一枚隔てた内側では人を含む動物がどれも似たような肉の塊なのではないかと考え、外見や分類を取り払ったときに残る、 生き物としての共通する何かを形にしようとしていました。その後距離を置いたこのイメージが、今回は輪郭と運動の重なりという 別の視点から扱われます。

アーティストステイトメント
紙を支持体とした作品を通して、人の像の見え方を探る。以前私は、「人は布を纏った肉の塊である」という考えから、人を含む動物を、 皮膚一枚隔てた内側では似たような肉の塊として捉え、そのイメージを不定形の像として描いていた。当時からグロテスクに見えす ぎないよう意識していたが、その後この表現からは距離を置いた。今回、マイブリッジの連続写真をもとにした人の輪郭を重ねるこ とで、この肉塊のイメージを別の視点から再び扱っている。輪郭や動きとの重なりによる見え方のずれから、私たちが何を手がかり に「人」を見ているのかを探る。その他の作品は、人物の輪郭や色、重なりを試すなかで生まれた習作である。

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橋本ユタカ

無のための習作 エドワード・マイブリッジ「The Human Figure in Motion」からの引用#024-3

2026

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YOD Gallery(東京店) 「橋本ユタカ 個展 Study for Null #008」出品作品。

このたび YOD Gallery(東京・天王洲)では、2026 年 10 月 10 日(土)より 10 月 24 日(土)まで、橋本ユタカによる個展 「Study for Null #008」を開催いたします。

橋本ユタカが探ってきたのは、「人」の姿そのものではなく、私たちが何を手がかりに像を認識し、意味づけているのかという問題 です。数本の線、形の配置、輪郭、姿勢や動き。それだけでも、私たちはそこに人を見ることがあります。誰であるかは分からなくても、 人であることは分かる。「誰なのか分からないのに、なぜ人であることは分かるのか」。橋本は現在、この問いを探求しています。

その背景にあるのは、異なる人同士が、それでも何かを共有することはできないだろうか、という問いです。すべての人に同じ快 や不快を感じさせることはできない。しかし、快でも不快でもない「分からない」という感覚であれば、一瞬だけでも共有できるの ではないか。橋本は、違いを消したり乗り越えたりするのではなく、違いを持ったまま共に存在する可能性を、この「分からなさ」 のなかに見ています。

見覚えがあるようで特定できない人物像、複数の線や情報の重なり、そして「人」と「肉の塊」のあいだを往還する不定形な身体。 橋本はこうした像を通して、一つのイメージが「何か」として立ち上がる以前の、不安定な知覚の状態を絵画のなかに生み出します。 そこでは、鑑賞者は作品の意味を受け取るだけでなく、自らの記憶や経験を手がかりに像を読み取り、「何を見ているのか」を繰り返 し問い直すことになります。

シリーズ名「Study for Null」は、《無のための習作》を意味します。橋本にとって「無」とは、何も存在しない状態ではありません。 異なるものを一つに統一することでも、差異そのものをなくすことでもなく、それぞれの違いが優劣や正誤によって選別されること なく、そのまま同時に存在できる状態を指します。そして作品は、その「無」そのものではなく、そこへ向かうための習作として置 かれています。
本展では、橋本がこれまで探求してきた「人」の図像を、運動と時間という視点からあらためて捉え直します。中心となるのは、 写真家エドワード・マイブリッジの連続写真を参照し、12 枚の紙で一連の動きを構成したドローイング作品です。

時間のなかで変化する人物の輪郭を重ねることで、一つひとつの像は部分的に失われながら、同時にそれまでとは異なる像を立ち 上げていきます。

それは、橋本が以前「人は布を纏った肉の塊である」という考えから描いていた不定形な身体像への再接続でもあります。かつて 橋本は、皮膚一枚隔てた内側では人を含む動物がどれも似たような肉の塊なのではないかと考え、外見や分類を取り払ったときに残る、 生き物としての共通する何かを形にしようとしていました。その後距離を置いたこのイメージが、今回は輪郭と運動の重なりという 別の視点から扱われます。

アーティストステイトメント
紙を支持体とした作品を通して、人の像の見え方を探る。以前私は、「人は布を纏った肉の塊である」という考えから、人を含む動物を、 皮膚一枚隔てた内側では似たような肉の塊として捉え、そのイメージを不定形の像として描いていた。当時からグロテスクに見えす ぎないよう意識していたが、その後この表現からは距離を置いた。今回、マイブリッジの連続写真をもとにした人の輪郭を重ねるこ とで、この肉塊のイメージを別の視点から再び扱っている。輪郭や動きとの重なりによる見え方のずれから、私たちが何を手がかり に「人」を見ているのかを探る。その他の作品は、人物の輪郭や色、重なりを試すなかで生まれた習作である。

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取り扱い YOD Gallery
サイズ 166.4 x 122.0 x cm
素材 紙にアクリル、色鉛筆、鉛筆 Acrylic, colored pencil and graphite on paper
商品コード 1100059844
配送までの期間 会期終了後順次発送。
備考 こちらの作品は店頭併売品のため受注時に在庫がない場合がございます。その場合、ご注文をキャンセルとさせていただくことがございますが、ご了承ください。
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