猿と三日月という二つの象徴を対置しました。猿は日本文化において魔除けや境界を媒介する存在であり、庚申信仰や「見ざる・聞かざる・言わざる」に象徴されるように、人間の制御を超えたエネルギーや認識の限界を映し出してきました。一方で三日月は、満ち欠けの只中にある形であり、未完成であるがゆえに未来を内包する象徴です。禅の世界では、欠けや余白を肯定する感覚が「無常」や「空」として受け継がれてきました。本作では、その「欠け」を可視化するために、あえて満月ではなく三日月を選んでいます。

猿の奔放な動きと、三日月の静かな光は決して交わらず、それでも同じ画面に共存している。その関係は、問いとかたちにならない応答、動と静のすれ違いを体現しています。現代社会においても、私たちは不完全さやすれ違いを抱えたまま共に生き続けざるを得ません。三日月の「欠けているがゆえの美」と、猿の「制御しえない生命力」を重ねることで、本作は「不完全な共存」の可能性を問いかけています。

 

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若佐慎一

三日月様と申様

2025

¥ 220,000 (税込)

猿と三日月という二つの象徴を対置しました。猿は日本文化において魔除けや境界を媒介する存在であり、庚申信仰や「見ざる・聞かざる・言わざる」に象徴されるように、人間の制御を超えたエネルギーや認識の限界を映し出してきました。一方で三日月は、満ち欠けの只中にある形であり、未完成であるがゆえに未来を内包する象徴です。禅の世界では、欠けや余白を肯定する感覚が「無常」や「空」として受け継がれてきました。本作では、その「欠け」を可視化するために、あえて満月ではなく三日月を選んでいます。

猿の奔放な動きと、三日月の静かな光は決して交わらず、それでも同じ画面に共存している。その関係は、問いとかたちにならない応答、動と静のすれ違いを体現しています。現代社会においても、私たちは不完全さやすれ違いを抱えたまま共に生き続けざるを得ません。三日月の「欠けているがゆえの美」と、猿の「制御しえない生命力」を重ねることで、本作は「不完全な共存」の可能性を問いかけています。

 

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取り扱い CANDYBAR Gallery
エディション オリジナル
サイズ 46.5 x 21.0 x 21.0 cm
素材 杉に漆、銀箔、アクリル絵具
商品コード 1100047637
配送までの期間 2〜3週間
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