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SHUTLより時吉あきな、星拳五、山﨑愛彦のグループ展出展作品をご紹介

岡田舜、時吉あきな、星拳五、山﨑愛彦によるグループ展「プリミティブ・コミュニケーション β」が現在、SHUTLで開催中(会期は6月17日まで)。会期にあわせ、オンラインでも出展作品をご紹介いたします。

 

 現代社会は、インターネットの普及や技術の進歩により、あらゆる情報の入手が容易になりました。SNSを通じて他人の近況や世界の様子を知ることができるようになり、ダウンロードコンテンツは経済活動においても活躍するツールとなり、仮想体験も可能になりました。このように日々、私たちは情報を「アーカイブ」して生きているとも言えるでしょう。

 美術業界においても、昨今の美術館所蔵作品のデジタルアーカイブや、NFTの流通により現実と仮想での美術的な価値観が更新されつつあります。しかし、美術的な価値や保存されている物も時間とともに劣化し、人間の行動による影響で失われる可能性があります。それは現実世界のみならず、インターネット上の情報もいつかは失われる可能性があるということです。そこで、私たちがこれまでに残していた情報をどう扱うか考える必要があります。デジタル技術の発展により、アーカイブの方法は広がりましたが、それでも実体のある物への信頼は覆すことはできないのではないでしょうか。

 本展は、プリミティブな方法でつくられながらもインターネットからモチーフをサンプリングして作品を制作するアーティストをセレクトし、展示。太古では自然物や人工物を組み合わせて文明を築いてきた私たちのルーツを考える機会でもあり、文化情報の「アーカイブ」の原点を再考し、未来の「アーカイブ」を後世に残していく方法について議論を投げかけます。2022年に京都・TENSHADAIで開催されたグループ展「プリミティブ・コミュニケーション」の巡回展となる本展。この議題に対し、改めてコミュニケーションが生まれることを望んだ今回のラインナップを会場とともに、ぜひオンラインでもお楽しみください。

 

 

「プリミティブ・コミュニケーション β」出展作品

作品画像をタップすると、作品ページに移動します。
※OIL by 美術手帖に掲載する作品はすべて、展覧会会場と併売になります。展覧会会場で先に売り切れとなる場合がございますが、予めご了承ください。

 

時吉あきな
1994年大阪生まれ。スマートフォンで撮影した対象の写真をコピー用紙に出力し、原寸大の立体コラージュとして再現する作品を制作している。正確に再現しながらも、平面の写真を強制的に立体にすることで不自然な歪みや独特の表情を持つ複製物が生まれる。平面と立体、リアルとフェイクを行き来しながら、複製を繰り返すことによる表現を試みる。

 

《ブレドッグ》(2024)

 

 

 

星拳五
1992年京都生まれ。イメージの変換を軸とした制作を行う。

 

《Google Sigh Up .oin》(2019)

 

山﨑愛彦
1994年札幌市生まれ、京都市在住。一度SNSに共有した写真をソフトウェアを使用して分解・再構築し、複数の時間性や場所性を持ったコラージュを作成。その下図をもとにキャンバスに投影しペインティングを行う。

 

《8da0b6(蒸し鶏、ごましお、駐車場)》(2024)

 

 

 

 

 

 

 

SHUTL

SHUTLは2023年10月にオープンしたアートスペース。現代の表現者が日本文化と出会い直し、自らの表現と伝統を結びつけることによって、新たな表現方法を模索することのできる、開かれた創造活動の実験場(ラボ)。建築家の黒川紀章らが提唱した「メタボリズム(新陳代謝)」運動の代表的な建築として知られる、中銀カプセルタワービルの2基のカプセルを常設している。様々なジャンルのアートやクリエイティブを横断しながら、新たな「未来のオーセンティック」を打ち出す。

 

 

編集部

Information

プリミティブ・コミュニケーション β

会期:2024年6月1日~6月17日
会場:SHUTL
住所:東京都中央区築地4-1-8
開館時間:13:00-19:00
休館日:火・水
料金:無料
※施設メンテナンス等で臨時休廊することがあります