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大河原愛の展示「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか II」出展作をオンラインエントリー販売

 このたび、銀座 蔦屋書店では、大河原愛による展示「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか II」を開催(会期は6月20日まで)。「OIL by 美術手帖」では出展作である《Silence and Warmth》のオンラインエントリー販売を6月3日より行います(申込期間は6月20日21時まで)。

《静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか 06》


 大河原愛はニューヨーク滞在中にニューヨークのコンテンポラリーアートの影響を受け、日本画からコンテンポラリーアートへと転向しました。これまで、モノクロとカラー、抽象と具象といった相反するものをあえてひとつの画面に用いながら、人物や人体を独自の世界観で表現してきましたが、本展では、新たに動物をモチーフにした作品も発表。これまでに取り入れてこなかった色やストロークが使われています。大河原にとって動物とは、その素朴でひたむきな生命力で、人には得られない自由さや孤高さを体現している存在でもあります。
 
 作品は、桐野夏生や芥川賞作家の書籍の装丁画や、Netflixドラマ『全裸監督』の劇中作品、日本アカデミー賞受賞映画『ミッドナイトスワン』にも起用されてきた大河原。当サイトでは、アイリッシュ・ブックアワード受賞、ジョセフ・オコーナー著『シャドウプレイ』に装画として使用された《Silence and Warmth》のオンラインエントリー販売を6月3日12時より行います(申込期間は6月20日21時まで)。

HOW TO ENTRY

<オンラインエントリー販売 申込期間>
6月3日(月)12:00~6月20日(木)21:00

※エントリー受付は終了しました。


《Silence and Warmth》

unique
制作年|2023
サイズ|65.2 × 53.0 × 3.0cm
額装サイズ|73.8 x 61.6 x 5.3cm
素材|キャンバスに油彩・ミクストメディア、アクリル額装
お届け時期|8月上旬頃 


 

アーティストステートメント

生きづらさを感じやすい現代において、個の存在に光を当てながら、精神の光と闇を主なテーマに制作しています。

私は小さい頃、機能不全家庭に育ち、心無い言葉や抑圧を受けたことでトラウマを抱えました。そして、そこから抜け出す過程で感じた、さまざまな記憶や葛藤・心の傷の描写を追求してきました。

自分が生きる意味や自分の価値について常に問いながら、皮膚に浮かび上がる骨格や肉体のフォルムをなぞり、絵を描く過程で、それらの下にあるとされる、形のない精神の存在について深く考えるようになりました。そして、もしそれに形を与えるならば、一体どのような表現となるのかについて強い関心を抱いています。特に、人の心の内にある闇と希望(光)の対比を、キャンバス上に描き出すことを試みています。

今回の展示タイトル、「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか II」は不均衡で不完全な人の存在、温もりを追い求めながらも孤独に身を置かざるを得ない人の姿や、傷を抱えながらも微笑む人の存在に少しでも寄り添いたくて、また希望を見出したくて紡いだ言葉でした。

私は、すべての人が持っている痛みや繊細さみたいなものに、光を当てたいのです。

大河原 愛

 

 

 

編集部

Artist Profile

大河原愛 / おおかわらあい

大河原愛は1979年東京都生まれ。2002年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業、04年に同大学大学院造形研究科美術専攻日本画コースを修了し、08〜10年までアメリカ・ニューヨークに滞在。フランシス・ベーコンやエゴン・シーレなどの近代絵画や、アメリカの現代美術に影響を受ける。繊細でありながら、不完全で不均衡なフォルムを特徴とした人物画や、ノスタルジックなコラージュ、ドローイング作品を制作。目に見えない事物や、人の心の闇と痛み、そこから滲み出る光を表現する。近年の個展に、「静けさの内に留まる羊はいかにして温もりを手に入れたか」(新宿高島屋 美術画廊、東京、2023)、「Spectrum」(松坂屋名古屋店 美術品売場、愛知、2020)、「鼓膜に残る静寂を、優しさに変えるすべについて」(新宿髙島屋 美術画廊、東京、2019)など。海外では、08年よりニューヨークのMonkdogz Urban Art Galleryなどアメリカのギャラリーでも数多く展示を行い、 11年にアメリカとポートランドのHellion Galleryで個展を開催。東京、北京、上海、マレーシア、シンガポール、ニューヨーク、台湾のアートフェアにも出展している。作品が芥川賞作家の辺見庸、鹿島田真希、辻原登、桐野夏生の書籍の装丁に起用。13年、アメリカのOvercup press社が出版した画集『The Tall Trees of Tokyo』の日本人紹介アーティストのひとりに選ばれる。近年は世界配信されるNetflixドラマや映画に作品を提供するほか、2020年にはBSフジテレビ「ブレイク前夜」に出演し、国内外で注目を集めている。

Information

「静けさの内に留まる羊は、いかにして温もりを手に入れたか II」

会期:2024年6月1日(土)〜6月20日(木)
銀座 蔦屋書店 GINZA ART SQUARE
住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
電話番号:03-3575-7755 
開館時間:10:30~21:00 ※最終日は17時まで
休館日:施設の定休日に準ずる  
料金:無料