山本昌男
Masao Yamamoto
山本昌男は1957年愛知県生まれ。画家を志して斎藤吾朗にもとで絵を学んだ後、写真家となる。94年にサンフランシスコのShapiro Galleryでの展示を機に評価を受け、欧米を中心に活動。自然、静物や人物を被写体とした静謐で詩的な写真作品やインスタレーションを発表している。写真作品は、主にセピア調またはモノクロで表現。近年は限られた空間上に自然や宇宙を凝縮した盆栽に関心を寄せ、2018年より「BONSAI」シリーズを制作し、日本独自の美意識に対峙している。
主な写真集に、見過ごされてしまう小さな物や些細な出来事を掬い取った代表的な作品を収めた『小さきもの、沈黙の中で -Small Things in Silence』(青幻舎、2014)、和紙に小サイズの写真を点在させた『e / ゑ』(Nazraeli Press、2005)、初期作品を複写し、記憶を呼び起こすような断片的なイメージを淡々と蓄積した『空の箱 / A Box of Ku』(Nazraeli Press、1998)など。2012年に、陶芸家・内田鋼一と共同で、装丁にもこだわった作品集『川』(書肆壷中天)を刊行。2017年、銀座 蔦屋書店のオープニングでは、鳥を主題とした「Tori」シリーズなどが展示された。現在は山梨県の八ヶ岳南麓に拠点を移し、制作を行う。