シュテファン・バルケンホール
Balkenhol Stephan
シュテファン・バルケンホールは1957年ドイツ・フリッツラー生まれ。ハンブルク造形大学で彫刻家ウルリッヒ・リュックリームに師事する。同大学を卒業後、ヨーロッパを中心として国際的に活動。1本の木から台座ごと掘り出す人体彫刻や、その背景となる、表面を粗く削った木やブロンズに着彩を施したレリーフなどを制作してきた。黒いズボンに白いシャツの格好をした木の人物像は、どこの誰でもなく、誰でもありうる「ミスター・エヴリマン」をコンセプトに、男女の身体的特徴、表情や身ぶりが排されている。ミニマリズムの潮流や、政治との関わりが深い19世紀の彫刻の歴史を踏まえ、初期より一貫してミニマルな要素と具象を融合させた彫刻を追求している。人物のほか、ゾウの頭部を持つ《エレファントマン》(2003)など、動物や建築を主なモチーフに用いている。日本では2005年に国立国際美術館(大阪)と東京オペラシティ アートギャラリーで初個展「シュテファン・バルケンホール:木の彫刻とレリーフ」を開催し、作品は国立国際美術館、東京国立近代美術館などに収蔵されている。07年、11年、19年に小山登美夫ギャラリーで個展を開催。