クリスチャン・マークレー
Christian Marclay
クリスチャン・マークレーは1955年アメリカ・カリフォルニア州生まれ。ボストンのマサチューセッツ美術学校、ニューヨークのクーパー・ユニオンで学ぶ。79年にターンテーブルを使った最初のパフォーマンス作品を発表。DJとは異なる方法でターンテーブルを演奏する楽器として初めて用い、数枚のレコードを編集してつくり出した音や、映画などから抜粋したイメージを組み合わせて制作を行う。80年代以降には、即興の演奏のほか、アルバムジャケットや別々のレコード同士を貼り合わせたコラージュ作品、数台のターンテーブルやレコーダやCDを並べたインスタレーション、写真や映像、彫刻作品などを手がけ、音楽と美術を往来して聴覚と視覚の結びつきを探るサウンド・アーティストとして知られるようになる。
代表作のひとつ《時計》(2010)は24時間に及ぶ映像作品。映画やテレビ番組に登場する時計のシーンを集め、上映中の24時間と一致するように再構成している。同作品は第54回ヴェネチア・ビエンナーレ(2011)で金獅子賞を受賞。日本では、ヨコハマトリエンナーレ2011への出展時に上映された。近年は札幌国際芸術祭2017などに参加。音楽の分野での影響も大きく、これまで、ジョン・ゾーン、エリオット・シャープ、バッチ・モリス、ソニック・ユース、フレッド・フリス、大友良英ら多数のミュージシャンとコラボレーションしている。主なアルバムに、外装やカバーのない状態で販売された『Records Without a Cover』(1985)、著名ミュージシャンたちのレコードを再構築した『More Encores』(1989)などがある。