ウィレム・デ・クーニング
Willem de Kooning
ウィレム・デ・クーニングは1904年オランダ・ロッテルダム生まれ。商業美術の仕事をしながらロッテルダムの美術工芸アカデミー夜間部で学び、純粋な抽象造形を目指した「デ・ステイル」の思想の影響を受ける。26年にアメリカに渡り、翌年からニューヨークに定住。35年「WPA」(公共事業促進局)の連邦美術計画に参加するが、38年頃から新古典主義時代のピカソの影響により「女」シリーズに着手。40年代を通して、均整のとれた女性像をデフォルメする作品を制作し、《マリリン・モンロー》(1954)をはじめとする激しい筆触と強烈な色彩で描かれた「女」シリーズで注目を集める。以後、「風景」シリーズなど抽象的な作品を数多く発表。68年初の大回顧展がアムステルダム、ロンドン、ニューヨークを巡回。69年から70年代半ばにかけては、ヘンリー・ムーアの勧めから人物が溶解するようなフォルムを持つ彫刻を制作する。94年にはナショナル・ギャラリー(ワシントン)、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、テート・ギャラリー(ロンドン)を巡回する回顧展が開催された。97年逝去。