現代美術界で重要な賞の一つである「ターナー賞」を2000年に受賞し、ロンドンとドイツを拠点として活動するドイツ人フォトグラファー、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)の作品集。

作者は同世代のなかでもとりわけ写真というメディアの限界を押し広げ、その可能性を探究してきた。カメラを用いず、暗室で抽象的なイメージを制作する試みなど、その手法は多岐に渡る。本書では、ドイツの出版社「TASCHEN」との協働によってこれまで制作されてきた4冊の書籍を1冊に再編纂し、ミレニアム前後の生を見つめ直すような構成に仕上げられている。

本書は、約30年にわたる作者の制作活動を通じて、現在の我々が置かれている状況を描き出そうとするものである。

初期に撮影された友人たちのポートレートから、静物、旅先でのスナップ、ヌード、風景や空の写真、さらには抽象表現に至るまで、数多くのイメージを通じて、独自の視覚言語を築いてきた。写真と現代美術の双方に新たな道筋を切り拓いたその実践により、前述のように、2000年には写真家として、またイギリス国籍以外の作家として初めて、芸術界において権威あるターナー賞を受賞している。

「TASCHEN」から刊行された最初の書籍『WOLFGANG TILLMANS』(1995年)では、作者自身も属していた1990年代の若い世代の姿が、クラブ、ゲイ・プライド、ファッション・イベント、日常の場面などを通じて捉えられている。密度の高いリアリスティックな写真は、共同体や社会の具体的なユートピア像を喚起すると同時に、その時代を記録する重要な資料ともなっている。

続く『BURG』(1998年)では、主題の幅がさらに広がり、のちに象徴的となるイメージ群が加えられた。『TRUTH STUDY CENTER』(2005年)では、構成がより繊細さを増し、完全に抽象的な作品が並置されるようになる。さらに『NEUE WELT』(2012年)では、ロンドンからティエラ・デル・フエゴ、インド、パプアニューギニア、サウジアラビア、中央アフリカに至るまでの旅路が記録され、人物や市場などから見る社会的状況、テクノロジーや建築、そして自然や天文学への関心が示されている。本作では、デジタル写真を用いた新たな可能性が初めて本格的に用いられ、それまでの写真にはほとんど見られなかった情報密度の濃さと鋭さが実現されている。

本書はドイツの出版社「TASCHEN」が手がけた「45th Edition Series」の一つであり、同出版社が2025年に創業45周年を迎えたことを記念して、より手に取りやすい新装版として刊行した作品集のシリーズである。編集は作者自身が手がけ、一部を再デザインし、近年の作品に加えて新たな序文を書き下ろしている。

30年にわたるイメージを収めたこの作品群を辿るなかで、我々は数多の瞬間に出会うことになる。それらは、集合的な記憶のなかにとどまるだけでなく、個々の人の記憶にも静かに刻まれていく。

プレオーダー *2月中旬入荷予定

MORE

ヴォルフガング・ティルマンス

[予約受付中] WOLFGANG TILLMANS FOUR BOOKS [ENGLISH / 45TH EDITION]

2025

¥ 7,480 (税込)

現代美術界で重要な賞の一つである「ターナー賞」を2000年に受賞し、ロンドンとドイツを拠点として活動するドイツ人フォトグラファー、ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans)の作品集。

作者は同世代のなかでもとりわけ写真というメディアの限界を押し広げ、その可能性を探究してきた。カメラを用いず、暗室で抽象的なイメージを制作する試みなど、その手法は多岐に渡る。本書では、ドイツの出版社「TASCHEN」との協働によってこれまで制作されてきた4冊の書籍を1冊に再編纂し、ミレニアム前後の生を見つめ直すような構成に仕上げられている。

本書は、約30年にわたる作者の制作活動を通じて、現在の我々が置かれている状況を描き出そうとするものである。

初期に撮影された友人たちのポートレートから、静物、旅先でのスナップ、ヌード、風景や空の写真、さらには抽象表現に至るまで、数多くのイメージを通じて、独自の視覚言語を築いてきた。写真と現代美術の双方に新たな道筋を切り拓いたその実践により、前述のように、2000年には写真家として、またイギリス国籍以外の作家として初めて、芸術界において権威あるターナー賞を受賞している。

「TASCHEN」から刊行された最初の書籍『WOLFGANG TILLMANS』(1995年)では、作者自身も属していた1990年代の若い世代の姿が、クラブ、ゲイ・プライド、ファッション・イベント、日常の場面などを通じて捉えられている。密度の高いリアリスティックな写真は、共同体や社会の具体的なユートピア像を喚起すると同時に、その時代を記録する重要な資料ともなっている。

続く『BURG』(1998年)では、主題の幅がさらに広がり、のちに象徴的となるイメージ群が加えられた。『TRUTH STUDY CENTER』(2005年)では、構成がより繊細さを増し、完全に抽象的な作品が並置されるようになる。さらに『NEUE WELT』(2012年)では、ロンドンからティエラ・デル・フエゴ、インド、パプアニューギニア、サウジアラビア、中央アフリカに至るまでの旅路が記録され、人物や市場などから見る社会的状況、テクノロジーや建築、そして自然や天文学への関心が示されている。本作では、デジタル写真を用いた新たな可能性が初めて本格的に用いられ、それまでの写真にはほとんど見られなかった情報密度の濃さと鋭さが実現されている。

本書はドイツの出版社「TASCHEN」が手がけた「45th Edition Series」の一つであり、同出版社が2025年に創業45周年を迎えたことを記念して、より手に取りやすい新装版として刊行した作品集のシリーズである。編集は作者自身が手がけ、一部を再デザインし、近年の作品に加えて新たな序文を書き下ろしている。

30年にわたるイメージを収めたこの作品群を辿るなかで、我々は数多の瞬間に出会うことになる。それらは、集合的な記憶のなかにとどまるだけでなく、個々の人の記憶にも静かに刻まれていく。

プレオーダー *2月中旬入荷予定

MORE

取り扱い twelvebooks
エディション ENGLISH / 45TH EDITION
サイズ 21.7 x 15.6 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100050604
出版 TASCHEN
著者 Wolfgang Tillmans
ISBN 9783836582537
配送までの期間 プレオーダー *2月中旬入荷予定
カテゴリー
送料 ¥770(税込)
購入条件

RELATED ART PRODUCTSヴォルフガング・ティルマンスのアートプロダクト一覧