VISCOSE JOURNAL ISSUE 08: SOUND
2025
¥ 7,150 (税込)
2021年にニューヨークとコペンハーゲンを拠点に始動したファッション批評誌。ファッション・アートスカラーでありキュレーターのイエッペ・ウゲルヴィグ(Jeppe Ugelvig)が編集長を務める。毎号特定のテーマを掲げ不定期に刊行する本誌は、それぞれ異なる本の形式を採用し、ジャンルを超えた思考を提案することで、ファッションにおける研究、制作、また批評の可能性を拡げることに挑んでいる。あらゆる領域、産業、場所の孤立化を拒みつつ、世界中の知的なファッションコミュニティを対象に発信する。また、研究機関や美術館などと共同で研究を進めることで、広告を掲載することなく刊行を続けている。
第8号である本書は、ファッションにおける多様な音楽とサウンド文化を検討する。物質性やイメージから完全に切り離されたサウンドは、ファッションが純粋に雰囲気という領域で鮮やかに機能することを示している。巧みに編まれたランウェイの音楽的ナラティブから、店舗に満ちる環境音まで、ファッションはサウンドを発し、同時に自らの発展のためにサウンドと結びつこうとする。
とりわけ音楽は、ファッションと時間との実存的な関係を主張する。ファッション・メディアの時間を美的に刻み、リズミカルにそれを鏡のように映すことで、ファッションの新しさを確証する。公共の意識において、ファッションと音楽の親密な関係は明白であり、ときに同一視されることさえある。サウンドは衣服のような物質を広い時代精神や媒介されたライフスタイルへと接続し、その結果、文化的記憶へと結びつける。アメリカの研究者メアリー・E・デイヴィス(Mary E. Davis)が明らかにしたように、この提携は深く歴史的である。すでに1672年には、ファッション雑誌が、上品で流行のライフスタイルを構成する等しく不可欠な要素として、衣服と音楽を取り上げていた。
実際、音楽はファッションを取り巻いている。作り手、媒介者、消費者を、儚くも強い意味を帯びた趣味の指標で包み込む。数え切れないほど多くのデザイナーが音楽サブカルチャーを経由してファッションへと至り、アトリエでは特定のプレイリストを聴きながら作業する。実際、ブランドやサブカルチャー、個人の装いといったスタイルには、多くの場合それぞれ固有のサウンドトラックがあり、特定の音に呼応してその雰囲気や振る舞いがかたちづくられる。ファッションは音楽の前後にも音を発する。ヒールの鳴る音、セーターの擦れる音、ファスナーの走る音。ミシンが発する低い唸り、レジのビープ音。
本書では、できるかぎり広い射程でファッションの音響的風景を検証する。「サウンド」と題することで、ワードローブや店舗、身体やナイトクラブにおいて、ファッションと聴覚のあいだに生じる、視覚的には見えにくく物質的には儚い相互作用へと手を伸ばす。探究の中心に音楽文化を据えながら、衣服とファッションが発し、記録し、取り込む、より儚いサウンドへと射程を広げることを目指す。ファッションを完全に音響的な術語だけで描き出す可能性、そしてそれを雑誌において書き言葉へと翻訳する方法を追究する。
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| 取り扱い | twelvebooks |
|---|---|
| サイズ | 22.5 x 22.5 x cm |
| 重量 | 1.0kg |
| 商品コード | 1100049658 |
| 出版 | VISCOSE |
| ISBN | 9788797480236 |
| 配送までの期間 | ご注文確定後、2-7日以内 |
| カテゴリー | |
| 送料 | ¥770(税込) |
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