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スウェーデン人キュレーター、ポントゥス・フルテン(Pontus Hultén)の作品集。本書は、パリにある「スウェーデン文化センター(Institut Suédois)」にて、2025年3月から9月にかけて開催された展覧会に伴い刊行された。

ポントゥス・フルテン(Pontus Hultén)は、アート、ミュージアム、社会の関係を根本から変えた先駆的なキュレーターである。「ストックホルム近代美術館(Moderna Museet)」、「ポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)」、「ロサンゼルス現代美術館(Museum of Contemporary Art, Los Angeles/MoCA)」など、主要な美術館の創設に重要な役割を果たした。アートと日常生活を結びつけ、アートを開かれた動的なものとして扱い、従来の美術館の枠を超えて広げた実践で知られている。

フルテンの活動のなかでも、あまり知られていないのがグラフィックデザインへの深い関与である。彼にとって印刷物は、アーティストやデザイナー、ライターたちとの対話を生み出す実験の場であった。本書は、フルテンがアーティスト、キュレーター、デザイナー、編集者、ライター、印刷者と協働しながら手がけた展覧会カタログ、ポスター、インビテーション、プログラム、そしてヴィジュアル・アイデンティティを紹介する。

膨大な展覧会活動の記録にとどまらず、フルテンのアナーキスティックな精神を印刷物というかたちで描き出した一冊である。彼のアナーキズムは、遊び心や創造性、皮肉、自由な精神、発明的な姿勢、そしてユートピア的な想像力に支えられており、階層性や資本主義への批判的な視線が随所に潜んでいる。

思想家マックス・シュティルナー(Max Stirner)のアナーキズムを想起させるように、フルテンは、グラフィックオブジェクトがそれ自体の個性と固有の性格を持つべきだと考えていた。デザインは内容、すなわち書かれた言葉や印刷された言葉を伝えるだけでなく、その背後にいる制作者の存在をも反映する必要があるとした。印刷物は、目に見えないものを媒介する装置であるべきだという考えである。各印刷物の「アウラ」は、内容と形態が動的に結びつく関係の中で立ち上がり、形態はしばしば主題に応じて変化する。素材は求められるアウラやメッセージを喚起するために慎重に選ばれ、新しい印刷技法も多用された。それらは、当時の技術的限界を押し広げる試みでもあった。

本書は、パリを拠点にするスウェーデン人グラフィックデザイナーで教育者、キュレーター、そして出版社「OUTSIDE IN」を主宰するスティーナ・グロマルク(Stina Gromark)が10年にわたり行ったフルテンの印刷物の研究と収集の成果である。約200点のグラフィックオブジェクトを収録し、意図的に年代順ではないテーマ別の構成となっている。1995年の展覧会カタログをめぐる作者自身の文章に加え、キュレーターで美術史家のロン・ハント(Ron Hunt)によるテキスト、ロン・ハントとの対話、さらに『Das gedruckte Museum von Pontus Hultén』の著者で司書のルッツ・ヤーレ(Lutz Jahre)へのインタビューも収録されている。

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ポントゥス・フルテン

KEEP SMILING! – THE PRINTED UNIVERSE OF PONTUS HULTEN [ENGLISH EDITION]

2025

¥ 14,300 (税込)

スウェーデン人キュレーター、ポントゥス・フルテン(Pontus Hultén)の作品集。本書は、パリにある「スウェーデン文化センター(Institut Suédois)」にて、2025年3月から9月にかけて開催された展覧会に伴い刊行された。

ポントゥス・フルテン(Pontus Hultén)は、アート、ミュージアム、社会の関係を根本から変えた先駆的なキュレーターである。「ストックホルム近代美術館(Moderna Museet)」、「ポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)」、「ロサンゼルス現代美術館(Museum of Contemporary Art, Los Angeles/MoCA)」など、主要な美術館の創設に重要な役割を果たした。アートと日常生活を結びつけ、アートを開かれた動的なものとして扱い、従来の美術館の枠を超えて広げた実践で知られている。

フルテンの活動のなかでも、あまり知られていないのがグラフィックデザインへの深い関与である。彼にとって印刷物は、アーティストやデザイナー、ライターたちとの対話を生み出す実験の場であった。本書は、フルテンがアーティスト、キュレーター、デザイナー、編集者、ライター、印刷者と協働しながら手がけた展覧会カタログ、ポスター、インビテーション、プログラム、そしてヴィジュアル・アイデンティティを紹介する。

膨大な展覧会活動の記録にとどまらず、フルテンのアナーキスティックな精神を印刷物というかたちで描き出した一冊である。彼のアナーキズムは、遊び心や創造性、皮肉、自由な精神、発明的な姿勢、そしてユートピア的な想像力に支えられており、階層性や資本主義への批判的な視線が随所に潜んでいる。

思想家マックス・シュティルナー(Max Stirner)のアナーキズムを想起させるように、フルテンは、グラフィックオブジェクトがそれ自体の個性と固有の性格を持つべきだと考えていた。デザインは内容、すなわち書かれた言葉や印刷された言葉を伝えるだけでなく、その背後にいる制作者の存在をも反映する必要があるとした。印刷物は、目に見えないものを媒介する装置であるべきだという考えである。各印刷物の「アウラ」は、内容と形態が動的に結びつく関係の中で立ち上がり、形態はしばしば主題に応じて変化する。素材は求められるアウラやメッセージを喚起するために慎重に選ばれ、新しい印刷技法も多用された。それらは、当時の技術的限界を押し広げる試みでもあった。

本書は、パリを拠点にするスウェーデン人グラフィックデザイナーで教育者、キュレーター、そして出版社「OUTSIDE IN」を主宰するスティーナ・グロマルク(Stina Gromark)が10年にわたり行ったフルテンの印刷物の研究と収集の成果である。約200点のグラフィックオブジェクトを収録し、意図的に年代順ではないテーマ別の構成となっている。1995年の展覧会カタログをめぐる作者自身の文章に加え、キュレーターで美術史家のロン・ハント(Ron Hunt)によるテキスト、ロン・ハントとの対話、さらに『Das gedruckte Museum von Pontus Hultén』の著者で司書のルッツ・ヤーレ(Lutz Jahre)へのインタビューも収録されている。

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取り扱い twelvebooks
エディション ENGLISH EDITION
サイズ 28.0 x 21.5 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100049586
出版 OUT SIDE IN
著者 Pontus Hultén , Stina Gromark
ISBN 9782959884900
配送までの期間 ご注文確定後、2-7日以内
カテゴリー
送料 ¥770(税込)
購入条件

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