UNCONCEALED: THE INTERNATIONAL NETWORK OF CONCEPTUAL ARTISTS, 1967–77
2009
¥ 11,000 (税込)
コンセプチュアル・アートにおける、知られざる繋がりをデータベースとしてまとめた一冊。
1960年代後半に出現したコンセプチュアル・アートは、アーテイスト、ディーラー、キュレーター、評論家によるネットワークに促されて発展した。本書は、スタイルや流派といったことを年代順に記録するような通常見られる美術史的なアプローチではなく、お金や人脈を追い、あまり知られていないコネクションが初めて詳しく語られている。
マルセル・ブロータス(Marcel Broodthaers)、リチャード・ロング(Richard Long)、ローレンス・ウェイナー(Lawrence Weiner)、ハンネ・ダルボーフェン(Hanne Darboven)、ダニエル・ビュラン(Daniel Buren)ら15人のアーティストを軸に、彼らをとりまくディーラーやギャラリー、私設や公的機関、コレクターが持つ特定のネットワークに焦点を当て、コンセプチュアル・アートの発展におけるアート・ディーラーの役割を記録している。それが、今日のアート界における構造へと最終的に繋がっているのである。我々は、コンセプチュアル・アート作品がいかにして個人コレクションや公的機関に収蔵され、価値がそこに付与されたのかということ、そして、アーティストの成功を牽引した流通ネットワークについて、本書をもって学ぶこととなる。
1967年に開催された第1回「ケルン・クンストマルクト(Kölner Kunstmarkt / 現アートケルン(Art Cologne)」から始まり、そこから1977年までの10年間における芸術活動が詳細かつ簡潔でわかりやすく説明されている。加えて各地で開催されたコンセプチュアル・アート作品の展覧会、アーティスト陣に関する記事を掲載した雑誌、そして美術館や博物館での収蔵品の販売状況を示す未発表の膨大なデータベースがまとめられている。あわせて豊富な情報量と逸話に富んだインタビューも収録。本書は、我々をニューヨーク、ロンドン、ブリュッセル、パリのギャラリーや美術館の舞台裏へと案内し、更にはアーティストたちが交わした契約書まで明かし、1960年代から70年代にかけて形成された新しい美術品の取引、キュレーション、収集、教育方法を暴露し、今日もアートの世界を動かし続けているのである。
1990年代後半から2000年代前半にかけて、著者であるソフィー・リチャード(Sophie Richard)はノーリッチ美術デザイン大学(Norwich University of the Arts)の博士課程で、ヨーロッパにおけるコンセプチュアル・アートの流通ネットワークについて広範な研究を行った。残念なことに、作者は論文を提出して数ヵ月経った頃に女児を出産したのち、この世を去ってしまった。作者の指導にあたっていた教授であるリンダ・モリス(Lynda Morris)が編集して出版にこぎつけた本書を見ることはなかったのである。
「リチャードは、流通ネットワークに関する研究に取り掛かり、完璧かつ徹底的なリサーチによってそれを成し遂げた。未解決の問題が多く残されているというのは、本書に対する批判ではない(...)未来の研究者がその問題や他の疑問点を考え抜く際には、リチャードの並外れたほどに細部まで行き届いた学識に感謝し続けるだろう。」- マーク・ゴッドフリー(Mark Godfrey)、Friezeより抜粋
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取り扱い | twelvebooks |
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サイズ | 25.4 x 19.0 x cm |
重量 | 1.0kg |
商品コード | 1100041964 |
出版 | DANCING FOXES PRESS & RIDINGHOUSE |
著者 | Sophie Richard |
ISBN | 9781905464173 |
配送までの期間 | ご注文確定後、2-7日以内 |
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送料 | ¥770(税込) |
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