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フランス発、2017年に創刊したグラフィックデザイン誌『レヴュ・フェール(REVUE FAIRE)』。本誌は、ヨーロッパ全体、殊にフランスにおいて、グラフィックデザインの形態と活動にまつわる分析に特化した批評的な刊行物が少ない現状を嘆き、鑑みて作られた。グラフィックデザインスタジオ「Syndicat」と出版社「Empire」を主宰するデザイナー・デュオ、サシャ・レオポルド(Sacha Léopold)とフランソワ・ハーヴェゲール(François Havegeer)によって創刊、15冊を1シーズンとして発行している。

第25号は、イギリス人アーティスト、ジョナサン・モンク(Jonathan Monk)を特集し、「Exhibition views?」をタイトルに掲げる。

展覧会やスタジオで展示されている写真作品は、壁のサイズに合わせて拡大され、現代のミュゼオグラフィ(博物館資料の記録・整理・配置の技術・研究・実践)において不可欠であり、ますます体系立てられた要素となりつつある。セット・デザイナーを携えた美術館などの施設に所属するキュレーターにせよ、インディペンデント・キュレーターにせよ、没入的かつ内省的となってきたドキュメンタリー・イメージとしての美的な質のために写真を用いることと、作品を再文脈化するためにも写真を使用する。

アーティストがこのような独自のイメージとの間で明確に豊かな関係を持つことは、展示という行為において現在どのような危機に瀕しているかということを様々な方法で明らかにしている。

2016年、ジョナサン・モンクは、自身の作品を振り返ったある種回顧展のようなものを作るべく、過去20年以上の間に様々な文脈に基づいて制作された作品を記録したアーカイブ写真で展示スペースの壁を覆うという、「Exhibit Model」(※註1)と題された一連の展覧会を初展開した。キュレーターであるマリー・J・ジーン(Marie J. Jean)は、このような演出された展示風景を拡張現実(AR)の一形態とみなしている。

展覧会を考察するこの方法は、言い換えれば、作品をその姿が持つ文脈とともに展示することであり、芸術作品が『場所であり』、『場所を確立し』、『発生した』(※註2)ことを思い出させてくれる。しかしながら、しばしば他のアーティストの作品を引用するジョナサン・モンクにとって、それは単に彼自身の作品をも流用する方法に過ぎないのではないだろうか?

本書には、作者が手がけたA1サイズのポスター作品「Exhibit Model Four」(ベルリン「キンドル 現代アートセンター(KINDL – Centre for Contemporary Art)」にて。撮影:イェンス・ツィーエ(Jens Ziehe)、2019年)も付属する。

※註1 スイス・バーゼルの「Kunsthaus Baselland」、デンマーク・コペンハーゲンの「ギャラリー・ニコライ・ウォールナー(Galerie Nicolai Wallner)」(いずれも2016年)、カナダ・モントリオールの「VOX, centre de l'image contemporaine」(2017年)、ドイツ・ベルリン「KINDL, Center for Contemporary Art」(2019年)に展覧会が開催されている。

※註2『Ciel variable』2018年春 109号 56-65ページ掲載記事『After Jonathan Monk
, Exhibition Views as Augmented Reality(フランス語:Autour de Jonathan Monk. Les vues d’expositions comme réalité augmentée)』(著:マリー・J・ジーン)より引用

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REVUE FAIRE – TO LOOK AT THINGS #25 - EXHIBITION VIEWS?: JONATHAN MONK

2020

SOLD OUT

フランス発、2017年に創刊したグラフィックデザイン誌『レヴュ・フェール(REVUE FAIRE)』。本誌は、ヨーロッパ全体、殊にフランスにおいて、グラフィックデザインの形態と活動にまつわる分析に特化した批評的な刊行物が少ない現状を嘆き、鑑みて作られた。グラフィックデザインスタジオ「Syndicat」と出版社「Empire」を主宰するデザイナー・デュオ、サシャ・レオポルド(Sacha Léopold)とフランソワ・ハーヴェゲール(François Havegeer)によって創刊、15冊を1シーズンとして発行している。

第25号は、イギリス人アーティスト、ジョナサン・モンク(Jonathan Monk)を特集し、「Exhibition views?」をタイトルに掲げる。

展覧会やスタジオで展示されている写真作品は、壁のサイズに合わせて拡大され、現代のミュゼオグラフィ(博物館資料の記録・整理・配置の技術・研究・実践)において不可欠であり、ますます体系立てられた要素となりつつある。セット・デザイナーを携えた美術館などの施設に所属するキュレーターにせよ、インディペンデント・キュレーターにせよ、没入的かつ内省的となってきたドキュメンタリー・イメージとしての美的な質のために写真を用いることと、作品を再文脈化するためにも写真を使用する。

アーティストがこのような独自のイメージとの間で明確に豊かな関係を持つことは、展示という行為において現在どのような危機に瀕しているかということを様々な方法で明らかにしている。

2016年、ジョナサン・モンクは、自身の作品を振り返ったある種回顧展のようなものを作るべく、過去20年以上の間に様々な文脈に基づいて制作された作品を記録したアーカイブ写真で展示スペースの壁を覆うという、「Exhibit Model」(※註1)と題された一連の展覧会を初展開した。キュレーターであるマリー・J・ジーン(Marie J. Jean)は、このような演出された展示風景を拡張現実(AR)の一形態とみなしている。

展覧会を考察するこの方法は、言い換えれば、作品をその姿が持つ文脈とともに展示することであり、芸術作品が『場所であり』、『場所を確立し』、『発生した』(※註2)ことを思い出させてくれる。しかしながら、しばしば他のアーティストの作品を引用するジョナサン・モンクにとって、それは単に彼自身の作品をも流用する方法に過ぎないのではないだろうか?

本書には、作者が手がけたA1サイズのポスター作品「Exhibit Model Four」(ベルリン「キンドル 現代アートセンター(KINDL – Centre for Contemporary Art)」にて。撮影:イェンス・ツィーエ(Jens Ziehe)、2019年)も付属する。

※註1 スイス・バーゼルの「Kunsthaus Baselland」、デンマーク・コペンハーゲンの「ギャラリー・ニコライ・ウォールナー(Galerie Nicolai Wallner)」(いずれも2016年)、カナダ・モントリオールの「VOX, centre de l'image contemporaine」(2017年)、ドイツ・ベルリン「KINDL, Center for Contemporary Art」(2019年)に展覧会が開催されている。

※註2『Ciel variable』2018年春 109号 56-65ページ掲載記事『After Jonathan Monk
, Exhibition Views as Augmented Reality(フランス語:Autour de Jonathan Monk. Les vues d’expositions comme réalité augmentée)』(著:マリー・J・ジーン)より引用

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取り扱い twelvebooks
サイズ 29.7 x 21.0 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100041963
出版 EMPIRE
ISBN 9791095991175
配送までの期間 ご注文確定後、2-7日以内
カテゴリー
送料 ¥770(税込)
購入条件