¥ 4,950 (税込)
アメリカ人アーティスト、カラ・ウォーカー(Kara Walker)の作品集。「マッカーサー・フェローズ・プログラム(MacArthur Fellows Program)」の「Genius Grant(天才助成金)」を最年少で与えられた一人である作者は、ギャラリーの壁に不穏なシーンとして配置された、象徴的かつ時に等身大で在るモノクロのシルエットの人物像が描かれた作品で知られている。この視覚的に我々を捕える物語は、南北戦争前の南部と現代文化の両側面における、人種、セクシュアリティ、暴力が持つ力にまつわる対話へと鑑賞者を引き込んでいく。作者の制作物は、世界中の展覧会や、「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」、「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(Solomon R. Guggenheim Museum)」、「ホイットニー美術館(Whitney Museum)」を含むアメリカの美術館で紹介されてきた。同時に、作者の観念学(イデオロギー)的に挑発するようなイメージは、作者よりキャリアの長い数人のアフリカ系アメリカ人アーティスト陣から激しく批判を浴び、その心を掻き乱すような表現に対する抗議の渦中で展示から多くの作品が外されてきた。本書は、この物議を醸してきた芸術を継続的に考察する一冊である。
印象的なシルエット、心に訴えかけてくるようなグワッシュのドローイング、ダイナミックなプリント作品を検証することで、キュレーターであり美術史家のグウェンドリン・デュボワ・ショウ(Gwendolyn DuBois Shaw)が作者の作品のうち4作「アンクル・トムの終わりと天国のエヴァの大寓意画(The End of Uncle Tom and the Grand Allegorical Tableau of Eva in Heaven)」、「無題(ジョン・ブラウン)(Untitled (John Brown))」、「A Means to an End」、「Cut」のインスピレーションと受け取り方を分析する。グウェンドリン・デュボワ・ショウは、作者の人生とキャリアを概観し、アフリカ系アメリカ人の歴史の中で、またフェイス・リングゴールド(Faith Ringgold)やキャリー・メイ・ウィームズ(Carrie Mae Weems)、マイケル・レイ・チャールズ(Michael Ray Charles)をはじめとした現代アーティストたちの作品との関連において文脈づけている。同時に、奴隷制度や人種的ステレオタイプにおける根本的に脱感傷化したイメージを用いることで、作者がいかにして鑑賞者の感性にわざと挑戦するような作品を作っているかを解説する。本書は、作者の親世代がアフリカ系アメリカ人公民権運動の時代において確立するために闘った社会的責任に対する考え方や戦略を、受け入れるのではなくむしろ疑問視する一人の力強いアーティストの姿として明らかにする。過去の人種差別的な偶像をあえて利用することで、作者はアメリカにおける人種差別主義的な過去と葛藤に満ちた現在が孕む、言葉にし難い側面を、鑑賞者に見せているのである。
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取り扱い | twelvebooks |
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サイズ | 23.5 x 15.6 x cm |
重量 | 1.0kg |
商品コード | 1100041589 |
出版 | DUKE UNIVERSITY PRESS |
著者 | Kara Walker |
ISBN | 9780822333968 |
配送までの期間 | ご注文確定後、2-7日以内 |
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送料 | ¥770(税込) |
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