¥ 11,000 (税込)
イラン系アメリカ人建築家であり評論家のモーセン・モスタファヴィ(Mohsen Mostafavi)と、マルクス主義ドイツ人美術史家のマックス・ラファエル(Max Raphael)による作品集。人を惹きつける力を持つ2つのエッセイを通じて、「黒」という色と、芸術および建築との関係を理論的かつ視覚的に物語り、辿る一冊。日本の屏風からマーク・ロスコ(Mark Rothko)、ジョージア・オキーフ(Georgia O'Keeffe)からカラ・ウォーカー(Kara Walker)、ピーター・セルシング(Peter Celsing)からデレク・ジャーマン(Derek Jarman)など、さまざまな作品を文脈としながら、モスタファヴィは図版を豊かに用い、世界的な芸術活動の並行的な発展を考察することで建築と色彩との繋がりを思案する。このように高名な作家陣との接点を熟考する傍で、モスタファヴィはラファエルが著した、あまり世に知られていない、それでいて非常に異彩を放つ文章「The Color Black: On the Material Constitution of Form」も用いる。同作は、ニューヨークの「メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)」に収蔵されているオールドマスターの絵画のセレクションに基づいて著されている。ニューヨークの抽象表現主義作家陣による黒い絵画作品が進化を遂げているのと同時代に、ラファエルのエッセイは同様の多義的な主題に厳格なほど異なるアプローチを試みている。ラファエルは、イギリス人小説家、美術評論家のジョン・バージャー(John Berger)の言葉を借りると「作品から、それが内包する創造のプロセスへと我々を導く」、活力に満ちた批評のモデルを提示している。
本書は、二者がそれぞれを補い合い、そして光り輝くエッセイを並べて紹介する。建築に特化した編集者であり翻訳家のパメラ・ジョンストン(Pamela Johnston)が手がけた強い説得力のある英訳文によって、ラファエルは初めて英語での刊行物を作った。加えて、ラファエルの著作より黒の知識を得たスイスを代表する建築家のペーター・メルクリ(Peter Märkli)や、黒の持つ美的かつ政治的な可能性を追求したアメリカ人アーティスト、シアスター・ゲイツ(Theaster Gates)との対談によって本作は完成する。現代と、近しい過去、そして遠い過去とを並列しながら、本書は、現代的な建築の思考と実践との関連性において、黒という色、そしてより広く色というものについて多層的な読解をもたらしてくれる。
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取り扱い | twelvebooks |
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サイズ | 23.0 x 17.0 x cm |
重量 | 1.0kg |
商品コード | 1100038271 |
出版 | MACK |
ISBN | 9781915743633 |
配送までの期間 | ご注文確定後、2-7日以内 |
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