※本作品はOAD(大丸梅田店)店頭併売品につき、品切れの場合にはご注文をキャンセルさせて頂く場合がございます
予めご了承ください。
 

 篠原猛史は京都市に生まれ、1981年にNYのプラット・インスティテュートのドローイング専攻を卒業。その後はベルギーを中心に、カナダ、ガーナ、フランス、北欧など様々な国々を拠点としながらその芸術を磨き上げてきました。初めに渡ったNYではヨーゼフ・ボイスの薫陶を受けその社会彫刻の概念を参照し、また親交のあったキース・へリングとは互いの作品を交換するなど知己を得て、80年代よりその名を知られ始めました。00年代に入ってから現在は日本国内に拠点を移し、東京大学の講師としても活動しています。
 篠原の作品は立体と平面、抽象と具象の区別は特にありません。そして風、水、火や音などあらゆるものを素材と見立てて作品を構成させます。これらは単なる造形の構成でもなければ、抽象的なコンセプトの主張でもなく、自然の絶えざる循環と人間の営為によるその関係性といった、現実的な問題についての表現なのです。

 近頃、篠原は自らが晩年に差し掛かったことを認識しました。自然と人工の対峙に生と死。さまざまな要素の間には境界があり、明確に差異(区別)が存在します。自らの命の期限を感じるのは誰でも寂しいものだろうと考えますが、篠原は依然生きており、今しかない時間を作品にしています。アーティスト、ギャラリスト、鑑賞者。それぞれが作品に対して向かい合う時に、全反射が起きる時を待つのが、近年の「臨界」シリーズと云えます。
 近年の制作はまさにこの「臨界」というキーワードに基づいています。これらの作品群にはとにかく青がほとばしります。そうした中、鑑賞者はその青を認識しますが一見するとただの青かもしれません。しかしこれは永続する時間の表象として存在します。作家の根幹をランガージュした言語としての色です。

 「可視の臨界点、2020」では改めて社会とアートの関係性を再確認し、京都は鴨川でのインスタレーションも行いました。そこからの2つの展示「月行観天望気論、2021」、「月の臨界角、2022」では、作品がより作家内側からの発露に基づいた形で表現されており、篠原の人生を分類したかのようなP12号のショートストーリーの連作は人生のページをめくる走馬灯のように鑑賞者の視界を経て脳内へと逡巡します。絵も音楽も認識する人がいて絵や音楽として存在しますが、これらの作品はその篠原自身を分類し、鑑賞者と一体となって作品を構成します。それは命の在り方から芸術作品の在り方、定義なども見直すきっかけをくれるものです。

 今回の作品は、2022年から続く篠原のライフチャプターを共通のフォーマット(P12号、H60.5×W45.5×D2cm)に落とし込んだシリーズの一場面です。

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篠原猛史

生の臨界点 23-No.-01

2023 - 2023

¥ 605,000 (税込)

※本作品はOAD(大丸梅田店)店頭併売品につき、品切れの場合にはご注文をキャンセルさせて頂く場合がございます
予めご了承ください。
 

 篠原猛史は京都市に生まれ、1981年にNYのプラット・インスティテュートのドローイング専攻を卒業。その後はベルギーを中心に、カナダ、ガーナ、フランス、北欧など様々な国々を拠点としながらその芸術を磨き上げてきました。初めに渡ったNYではヨーゼフ・ボイスの薫陶を受けその社会彫刻の概念を参照し、また親交のあったキース・へリングとは互いの作品を交換するなど知己を得て、80年代よりその名を知られ始めました。00年代に入ってから現在は日本国内に拠点を移し、東京大学の講師としても活動しています。
 篠原の作品は立体と平面、抽象と具象の区別は特にありません。そして風、水、火や音などあらゆるものを素材と見立てて作品を構成させます。これらは単なる造形の構成でもなければ、抽象的なコンセプトの主張でもなく、自然の絶えざる循環と人間の営為によるその関係性といった、現実的な問題についての表現なのです。

 近頃、篠原は自らが晩年に差し掛かったことを認識しました。自然と人工の対峙に生と死。さまざまな要素の間には境界があり、明確に差異(区別)が存在します。自らの命の期限を感じるのは誰でも寂しいものだろうと考えますが、篠原は依然生きており、今しかない時間を作品にしています。アーティスト、ギャラリスト、鑑賞者。それぞれが作品に対して向かい合う時に、全反射が起きる時を待つのが、近年の「臨界」シリーズと云えます。
 近年の制作はまさにこの「臨界」というキーワードに基づいています。これらの作品群にはとにかく青がほとばしります。そうした中、鑑賞者はその青を認識しますが一見するとただの青かもしれません。しかしこれは永続する時間の表象として存在します。作家の根幹をランガージュした言語としての色です。

 「可視の臨界点、2020」では改めて社会とアートの関係性を再確認し、京都は鴨川でのインスタレーションも行いました。そこからの2つの展示「月行観天望気論、2021」、「月の臨界角、2022」では、作品がより作家内側からの発露に基づいた形で表現されており、篠原の人生を分類したかのようなP12号のショートストーリーの連作は人生のページをめくる走馬灯のように鑑賞者の視界を経て脳内へと逡巡します。絵も音楽も認識する人がいて絵や音楽として存在しますが、これらの作品はその篠原自身を分類し、鑑賞者と一体となって作品を構成します。それは命の在り方から芸術作品の在り方、定義なども見直すきっかけをくれるものです。

 今回の作品は、2022年から続く篠原のライフチャプターを共通のフォーマット(P12号、H60.5×W45.5×D2cm)に落とし込んだシリーズの一場面です。

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取り扱い GALLERY TOMO
エディション Unique
サイズ 60.5 x 45.5 x 2.0 cm
重量 250.0g
素材 アクリル、胡粉、銀粉、アルミ粉、パネル
商品コード 1100034426
著者 篠原猛史
配送までの期間 1週間程度
カテゴリー
購入条件