谷口弦による、和紙の原料をベースに構築した塊を現代の様々な紐やロープで結び、関守石と呼ばれる通行止のサインをモチーフにした立体作品のシリーズです。


カミナリの主宰である谷口弦は1990年佐賀県に生まれ、江戸時代より300年以上続く和紙工房、名尾手すき和紙の七代目として家業を継ぎ伝統を守りながら、様々な技法や素材を手漉き和紙の技術と掛け合わせ、先鋭的な平面・立体作品を制作しています。

伝統的な手すき和紙の技術を用いて再生された紙「還魂紙」を使って、様々な時代の「物」に宿る魂やストーリーを紙にすき込み、先人達が積み重ねてきた和紙という歴史を現代の観点で解体し、新たな価値を吹き込み再構築した平面、立体作品を制作しています。江戸時代以前、反故紙を用いて漉き直された再生紙は、原料の古紙に宿っていた魂や情報が内包されていると考えられていたことから還魂紙と呼ばれていました。その還魂紙を活動のコンセプトであると同時に軸となるマテリアルとして用いることで、過去と現在、変化し続ける未来、そして異なる文脈の物事を繋ぎ合わせるという役目を持たせています。素材の持つ歴史と特性を熟知し、様々な要素を重ね作品に投影することで、和紙の歴史を通観するものとしても捉えることができるのです。

関守石はシュロ縄で石を十字に結んだもので、茶道を大成させた千利休によって生まれたと言われており、茶庭や神社仏閣の境内において、置かれることで通行止めの意味となる関守(門番)の役をもった古来からのサインとして、現在でも多くの場所で活用されているオブジェクトです。土地の境域に置かれ行き来や空間を分断する目印となるその関守石を、個性溢れる有機的な石の造形は和紙の原料の塊で、そして伝統的なシュロ縄は現代で多用されているビニール紐やチューブなどで巧妙にサンプリングすることで、過去の積み重ねの連続が現在に繋がってゆき、多様な文脈の物事を新たな解釈で接続していくことで未来が開拓されることの重要性を示唆しています。一見はポップな印象を抱くスカルプチャーの作品群ですが、それらに目を留め一時停止することで過去に立ち戻り、現在が通過点となって、新たな価値と共に再生され未来へと通じてゆく可能性を考える糸口となっているのです。

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名尾手すき和紙|谷口弦
1990年佐賀県生まれ、関西大学社会学部心理学科卒業。
佐賀県の名尾地区にて300年以上の歴史を持つ名尾和紙の継承者。作家として個展の開催やグループ展へ参加している。
和紙は意図や作為がなく、この世界の現象をありのまま受け入れる。自然体で柔軟な和紙が持つ “無形の美"をテーマに作品制作をしている。


Exhibitions:
2021
出展「祈りのインターフェイス展」at BONUS TRACK GALLERY
個展「TIMESCAPE」at Muracekai
個展「秘事」at ニューGEN GEN AN幻 / OUCHI
出展「Kyushu New ART 2021」at 博多阪急8F催事場
作品提供「紙糸靴下|Paper Fiber Socks」for Goldwin

2020
長崎アートプロジェクト「じかんのちそう」招聘作家

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谷口弦

PAUSE

2022

¥ 38,500 (税込)

谷口弦による、和紙の原料をベースに構築した塊を現代の様々な紐やロープで結び、関守石と呼ばれる通行止のサインをモチーフにした立体作品のシリーズです。


カミナリの主宰である谷口弦は1990年佐賀県に生まれ、江戸時代より300年以上続く和紙工房、名尾手すき和紙の七代目として家業を継ぎ伝統を守りながら、様々な技法や素材を手漉き和紙の技術と掛け合わせ、先鋭的な平面・立体作品を制作しています。

伝統的な手すき和紙の技術を用いて再生された紙「還魂紙」を使って、様々な時代の「物」に宿る魂やストーリーを紙にすき込み、先人達が積み重ねてきた和紙という歴史を現代の観点で解体し、新たな価値を吹き込み再構築した平面、立体作品を制作しています。江戸時代以前、反故紙を用いて漉き直された再生紙は、原料の古紙に宿っていた魂や情報が内包されていると考えられていたことから還魂紙と呼ばれていました。その還魂紙を活動のコンセプトであると同時に軸となるマテリアルとして用いることで、過去と現在、変化し続ける未来、そして異なる文脈の物事を繋ぎ合わせるという役目を持たせています。素材の持つ歴史と特性を熟知し、様々な要素を重ね作品に投影することで、和紙の歴史を通観するものとしても捉えることができるのです。

関守石はシュロ縄で石を十字に結んだもので、茶道を大成させた千利休によって生まれたと言われており、茶庭や神社仏閣の境内において、置かれることで通行止めの意味となる関守(門番)の役をもった古来からのサインとして、現在でも多くの場所で活用されているオブジェクトです。土地の境域に置かれ行き来や空間を分断する目印となるその関守石を、個性溢れる有機的な石の造形は和紙の原料の塊で、そして伝統的なシュロ縄は現代で多用されているビニール紐やチューブなどで巧妙にサンプリングすることで、過去の積み重ねの連続が現在に繋がってゆき、多様な文脈の物事を新たな解釈で接続していくことで未来が開拓されることの重要性を示唆しています。一見はポップな印象を抱くスカルプチャーの作品群ですが、それらに目を留め一時停止することで過去に立ち戻り、現在が通過点となって、新たな価値と共に再生され未来へと通じてゆく可能性を考える糸口となっているのです。

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名尾手すき和紙|谷口弦
1990年佐賀県生まれ、関西大学社会学部心理学科卒業。
佐賀県の名尾地区にて300年以上の歴史を持つ名尾和紙の継承者。作家として個展の開催やグループ展へ参加している。
和紙は意図や作為がなく、この世界の現象をありのまま受け入れる。自然体で柔軟な和紙が持つ “無形の美"をテーマに作品制作をしている。


Exhibitions:
2021
出展「祈りのインターフェイス展」at BONUS TRACK GALLERY
個展「TIMESCAPE」at Muracekai
個展「秘事」at ニューGEN GEN AN幻 / OUCHI
出展「Kyushu New ART 2021」at 博多阪急8F催事場
作品提供「紙糸靴下|Paper Fiber Socks」for Goldwin

2020
長崎アートプロジェクト「じかんのちそう」招聘作家

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取り扱い VOILLD
エディション Unique
サイズ 18.0 x 9.0 x 8.0 cm
素材 和紙、雑誌、パラコード
商品コード 1100027864
配送までの期間 ご注文後、約10日でのお届けを予定しております。
*送料は着払いとなります。予めご了承ください。
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