multi LD 2022 SM 03

multi LD 2022 SM 03

アクリル絵具にメディウムを混合した液体を、横たえたカンヴァスに、時には 3 リットルという量をビーカーでゆっくりと注ぎ込む。重くとろみを持った絵具が画面を這う。ぶつかり流れる運動をとどめて凝固する。絵具の深さは濃淡となり、乾かしては繰り返し流し込まれる色彩は地層のように奥行きを生む。作り手の筆触は排除され、流動体は色そのものとなって立ち現れる。

旅で目にした風景を、大胆なフォルムと明快な色彩で表現した作品から出発し、中島麦はドリッピングによるシリーズを経て、常に「色」を追い続けてきた。色という字は、腹ばいになった姿に人が重なる様を表すという。

そこから男女の交わりや、ひいては目に映るうるわしいものという意味が生まれた。「いろ」は身体に基礎を置き、われわれの中に眠る本能に近い情を動かす。《luminous dropping》は極限まで絵の抽象を目指しながら、官能的で豊かな視覚の悦びへと誘う、開かれた「景色」にほかならない。

荒井直美新潟市美術館 学芸係長) 2019

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中島麦

multi LD 2022 SM 03

2022

SOLD OUT

SOLD OUT

アクリル絵具にメディウムを混合した液体を、横たえたカンヴァスに、時には 3 リットルという量をビーカーでゆっくりと注ぎ込む。重くとろみを持った絵具が画面を這う。ぶつかり流れる運動をとどめて凝固する。絵具の深さは濃淡となり、乾かしては繰り返し流し込まれる色彩は地層のように奥行きを生む。作り手の筆触は排除され、流動体は色そのものとなって立ち現れる。

旅で目にした風景を、大胆なフォルムと明快な色彩で表現した作品から出発し、中島麦はドリッピングによるシリーズを経て、常に「色」を追い続けてきた。色という字は、腹ばいになった姿に人が重なる様を表すという。

そこから男女の交わりや、ひいては目に映るうるわしいものという意味が生まれた。「いろ」は身体に基礎を置き、われわれの中に眠る本能に近い情を動かす。《luminous dropping》は極限まで絵の抽象を目指しながら、官能的で豊かな視覚の悦びへと誘う、開かれた「景色」にほかならない。

荒井直美新潟市美術館 学芸係長) 2019

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取り扱い Gallery OUT of PLACE
サイズ 23.0 x 17.0 x 3.0 cm
素材 acrylic on canvas
商品コード 1100030855
配送までの期間 OIL5周年記念企画での出品作品のため、3/26~4/25の期間中に発送となります。
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購入条件