【展覧会情報】
牡丹靖佳 特別展示
2024.1.13 - 3.2
@ アートコートギャラリー(大阪)

牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる
2024.1.12 - 2.25
@ 市立伊丹ミュージアム(兵庫)

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▪️ 作家ステイトメント

スウェーデンの奥地でカヤックに乗っていた時のこと。湖の真ん中でぼんやりしていると、まったく音がしないことに気付きました。風もなく、動物や魚の気配すら感じられない。まるで時間が止まったかのような無の世界。息をひそめると、聴こえてくるのは、吐く息と心臓を打つ音だけ。波ひとつない湖面は、鏡のように森や空をうつし出し、いや、むしろそこには、現実よりももっと深く鮮やかな世界が広がっていました。 現実とうつし出された空間のちょうど狭間で、僕は宇宙に浮かんでいるような(宇宙に行ったことはないけれど)孤独と不安、そして今ここで生きているん
だということを強く感じました。

自分を境目にしてできる、こちらとあちら側の世界。それが僕の制作スタンスになっているような気がします。うつすことで見えてくるもの、現れてくること。 そう、もしかしたら手の届かない月も、うつせば捕まえることが出来るのかもしれません。

牡丹靖佳

(*本ステイトメントは、「牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる」(2024、市立伊丹ミュージアム)での展示に寄せて書き下ろされました)


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▪️ 作品について

鮮やかな黄色の色面と、
イリュージョンとしての地平線とが重なり合う、牡丹靖佳の代表的な作品。

存在の間に結ばれる関係の不確かさ・複雑さを、絵の具の物質性と表象性のせめぎ合い、地と図の反転といった現象を通して引き出すことを試みている。

中心となるべきモチーフは抽象的な色と形の連なりのなかに隠される一方、木の枝、ロープ、煙といった、”何か”の予兆あるいは余韻と思しきものたちは、緻密な線で写実的に描き出されている。

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▪️ Artist

牡丹靖佳 Yasuyoshi Botan

色とりどりの花や鳥や雲がともに咲き誇り、存在の変化に富んだ精緻で物語性のある絵画風景を描く。東洋における遠近法を用いて、イメージの具象と抽象の境界実験を展開するなど、独自の描画ルールでこの世の儚さや不確かさ、移ろいゆくさまを確かめながら、近年は“光”をテーマに絵画とは何かを追求し続けている。色彩と無数のイメージが心地よく渾然一体となり、見る者の想像力をポジティブに掻き立てる作品は国内外で評価が高く、絵本製作や文芸書の挿絵も手掛け多彩に活躍している。

 

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牡丹靖佳

a little confusion

2015

¥ ASK

【展覧会情報】
牡丹靖佳 特別展示
2024.1.13 - 3.2
@ アートコートギャラリー(大阪)

牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる
2024.1.12 - 2.25
@ 市立伊丹ミュージアム(兵庫)

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▪️ 作家ステイトメント

スウェーデンの奥地でカヤックに乗っていた時のこと。湖の真ん中でぼんやりしていると、まったく音がしないことに気付きました。風もなく、動物や魚の気配すら感じられない。まるで時間が止まったかのような無の世界。息をひそめると、聴こえてくるのは、吐く息と心臓を打つ音だけ。波ひとつない湖面は、鏡のように森や空をうつし出し、いや、むしろそこには、現実よりももっと深く鮮やかな世界が広がっていました。 現実とうつし出された空間のちょうど狭間で、僕は宇宙に浮かんでいるような(宇宙に行ったことはないけれど)孤独と不安、そして今ここで生きているん
だということを強く感じました。

自分を境目にしてできる、こちらとあちら側の世界。それが僕の制作スタンスになっているような気がします。うつすことで見えてくるもの、現れてくること。 そう、もしかしたら手の届かない月も、うつせば捕まえることが出来るのかもしれません。

牡丹靖佳

(*本ステイトメントは、「牡丹靖佳展 月にのぼり、地にもぐる」(2024、市立伊丹ミュージアム)での展示に寄せて書き下ろされました)


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▪️ 作品について

鮮やかな黄色の色面と、
イリュージョンとしての地平線とが重なり合う、牡丹靖佳の代表的な作品。

存在の間に結ばれる関係の不確かさ・複雑さを、絵の具の物質性と表象性のせめぎ合い、地と図の反転といった現象を通して引き出すことを試みている。

中心となるべきモチーフは抽象的な色と形の連なりのなかに隠される一方、木の枝、ロープ、煙といった、”何か”の予兆あるいは余韻と思しきものたちは、緻密な線で写実的に描き出されている。

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▪️ Artist

牡丹靖佳 Yasuyoshi Botan

色とりどりの花や鳥や雲がともに咲き誇り、存在の変化に富んだ精緻で物語性のある絵画風景を描く。東洋における遠近法を用いて、イメージの具象と抽象の境界実験を展開するなど、独自の描画ルールでこの世の儚さや不確かさ、移ろいゆくさまを確かめながら、近年は“光”をテーマに絵画とは何かを追求し続けている。色彩と無数のイメージが心地よく渾然一体となり、見る者の想像力をポジティブに掻き立てる作品は国内外で評価が高く、絵本製作や文芸書の挿絵も手掛け多彩に活躍している。

 

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取り扱い ARTCOURT Gallery
サイズ 145.5 x 194.0 x cm
素材 油彩、鉛筆、ジェッソ、クレパス、キャンバス / Oil, pencil, gesso, craypas on canvas
商品コード 1100010621
著者 牡丹靖佳 Yasuyoshi Botan
配送までの期間 発送日時に関しては、購入者の方に別途ご連絡差し上げます。
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