ポスターでよみがえる「梱包」プロジェクト
歴史的建造物などをまるごと布で梱包し、景観を変貌させる世界規模の大規模プロジェクトで、20世紀後半以降のアートシーンで数々の重要な仕事を遺した、クリストとジャンヌ=クロード(Christo、1935年生まれ2020年没/Jeanne-Claude 、1935年生まれ 2009年没)。 それぞれのプロジェクトにかかる巨額の費用を、美術館や政府や企業などから一切の援助を受けることなく、彼ら自身で賄ったという彼らのポリシーも良く知られるエピソードです。彼らの手掛けたプロジェクトは、約2~3週間の期間を経て解体されてしまうものが大半でした。そのため、それぞれの作品存在を未来に示し続けるものとして、作品をドキュメントするという行為も制作の一部として取り組んでおり、豊富な制作資料や記録写真を残しました。ポスターや印刷物は、現存しないプロジェクト作品を伝える重要な資料として存在しています。
「梱包された海岸」
オーストラリア・シドニーの海岸Little Bayで行われたプロジェクト。全長2.5キロ、高さ25メートルの海岸を丸ごと梱包した本作は、梱包プロジェクトとしては初期の作品です。
「アンブレラ・プロジェクト」
1991年10月に日本の茨城県とアメリカのカリフォルニア州の谷間地域で、3100本の傘をいっせいに開くというプロジェクト「アンブレラ、日本-アメリカ合衆国、1984-91」。青い傘が茨城に、黄色い傘はカルフォルニアに設置され、点在する鮮やかな傘の集合が広大な土地に鮮やかな景観を生み出しました。
ぜひ、この機会に幻のプロジェクトを印刷物で追体験してみてください。