トム・サックス《Big Tits and a Mini Skirt》2016 ©Tom Sachs

限定1客、トム・サックスの「NASA」茶碗

「手作り(ハンドメイド)の既製品(レディメイド)」とも評される、ユーモアのある作品を制作してきたトム・サックス。東京オペラシティアートギャラリーにて開催中の「トム・サックス ティーセレモニー」との連動企画展となる「Smutshow」が、小山登美夫ギャラリーにて4月20日から5月25日まで開催されています。「OIL by 美術手帖」では、本展の開催を記念し、トム・サックスの作品《Big Tits and a Mini Skirt》をご用意いたしました。 展覧会場だけではなく、あなたのお手元にもトム・サックスの好奇心溢れる世界をお届けします。

トム・サックス「ティーセレモニー」がいよいよ日本で実現

 ニューヨークを拠点に、アートを主軸にしながらも、ファッション、デザイン、スポーツ、ひいては国家とそのボーダーについてなど、およそジャンルという言葉を大きく超えた作品を発表しつづけているアーティスト、トム・サックス。

Photo by Mario Sorrenti

 「トム・サックス」という名前を聞いたとき、おそらく多くの人が思い浮かべるイメージには、トム・サックスの「ティーセレモニー」があるだろう。日本の総合電動工具会社マキタのバッテリーを使用した電動の茶筅(ちゃせん)や「NASA」のロゴが入ったお茶碗……日用品や工業用素材でつくられた茶道具の数々は、ユーモラスでありながら、私たちが改めて日本の伝統文化の意義や可能性を見つめるための、新たな視点を投げかけてくれます。

 2016年、ニューヨークのノグチ美術館での「Tom Sachs: Tea Ceremony」からはじまった、トム・サックスの「ティーセレモニー」への取り組み。その後、アメリカ各地を巡回した本展が、2019年、遂に日本にやってきました。

《Ryakubon 2.0》 2018 Plywood, hardware, mixed media 25.4 x 36.2 x 22.8 cm ©Tom Sachs

 4月20日から東京オペラシティ アートギャラリーで開催されている「トム・サックス ティーセレモニー」を中心に、都内3ヶ所で開催される展覧会の会場には、「OIL by 美術手帖」に出店している、小山登美夫ギャラリーも。

 小山登美夫ギャラリーで開催されるトム・サックス「Smutshow」は、東京オペラシティ アートギャラリーでの「トム・サックス ティーセレモニー」の一室となる《ヒストリカルガーデン》へとつながり、相互に補完し合う展示となっています。日本古来の伝統文化のひとつである「香道」を独自に解釈し、自身の作品に昇華した「トム・サックスの茶の湯」を体現する茶道具やしつらえの品々を、新作と日本未発表作のみ、28点を展示。この展示のための棚もすべてサックス自身によってデザインされています。

 東京オペラシティ アートギャラリー、小山登美夫ギャラリー以外にも、駒込のKOMAGOME 1-14 casでの個展「Indoctrination Center」や、「ビームス 原宿」内にはポップアップストアがオープン。都内の様々な会場で、トム・サックスのジャンルにとらわれない幅広い好奇心を体感できます。

 

自宅でも”ティーセレモニー”!?

トム・サックス《Big Tits and a Mini Skirt》2016 ©Tom Sachs

 トム・サックスにとって日本初の大規模な展覧会の開催を記念し、「OIL by 美術手帖」では、トム・サックスの作品《Big Tits and a Mini Skirt》を販売いたします。

 「不完全な美(perfectly imperfect chawan)」と称する「NASA」のロゴが入った手製の茶碗は、「トム・サックス ティーセレモニー」のなかでも象徴的な作品のひとつです。茶の湯の精神や価値観を、21世紀の宇宙旅行時代に必須な人間の精神活動として捉え直したトム・サックス。彼のユニークな発想や視点を、展覧会会場だけではなく、ご自身の手元で味わってみてはいかがでしょうか?

 限定1客、作品の詳細はこちらよりご覧ください!

編集部

Artist Profile

トム・サックス(Tom Sachs)

 1966年ニューヨーク生まれ。バーモント州のベニントン大学を卒業後、ロンドンの私立建築学校AAスクールで学び、建築家フランク・ゲーリーの事務所で家具制作に2年間携わる。90年代よりブランドロゴやキャラクターといった現代の資本主義社会のアイコンを用いた、アイロニーとユーモアが共存するような彫刻作品を発表。そのなかに、「手づくりの既製品」をテーマに、プラダのシューズボックスを使用してつくった便器《Prada Toilet》(1997)や、エルメスの包装紙でマクドナルドのハンバーガーセットを再現した《Hermés Value Meal》(1997)など、ファッションをモチーフとした作品などがある。また、ナイキとのコラボレーションスニーカーでも知られるほか、近年では宇宙や茶道などをテーマに幅広い作品を手がけている。 

 

 主な個展に「Nutsy’s」(グッゲンハイム美術館、ベルリン、2003)、「TomSachs: Tea Ceremony」(ノグチ美術館、ニューヨーク、2016)、これまで参加した主な展覧会に「宇宙と芸術展」(森美術館、東京、2016〜17)など。森美術館のハローキティ誕生30周年記念「KittyEX.」(2004)では、巨大なキティ像を出品し話題となった。また、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ホイットニー美術館、ポンピドゥー・センターほか、世界各地の美術館に作品が収蔵されている。

Information

トム・サックス「Smutshow」

会期:2019年4月20日〜5月25日
会場:小山登美夫ギャラリー
住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
開館時間:11:00〜19:00 
休館日:日、月曜日 及び 祝日 
料金:入場無料

トム・サックス《Big Tits and a Mini Skirt》2016 ©Tom Sachs

トム・サックス《Big Tits and a Mini Skirt》2016 ©Tom Sachs