仲衿香の作品販売がスタート。現代の記号を「保存」する作家の新たな試み
OIL by 美術手帖がおすすめのアーティストを紹介していく「OIL SELECTION」。今回は、仲衿香です。SH GALLERYで10月8日より開催される個展「SLEEPING JIVA」にあわせ、OIL by 美術手帖でも彼女の新たな展開のきっかけとなった作品を販売いたします。
文・構成=髙内絵理(OIL by 美術手帖)
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仲衿香は1994年生まれ。企業のロゴやSNSサービスなどの様々なアイコンをモチーフに、アクリル絵具を用いた厚塗りが特徴の絵画作品を制作しています。先代の偉人たちが日常の風景を絵画に落とし込み「保存」してきたように、現代に生きる彼女は目まぐるしいスピードで生まれては消えていく様々な記号を「保存」していきます。いまの時代に制作した作品は、何十年後、後世の人々が見てどう感じるのか。自分でも予測のつかない、壮大なアーカイブを試みているようなところが絵画の面白さだと、仲は言います。
このたびの個展「SLEEPING JIVA」では、これまで現代の記号を「保存する」ように描いてきた彼女が、「保存されなかった」作品をどう生きさせようとするのか、という新たな試みを見ることができます。
OIL by美術手帖では、彼女のこの新たな試みのきっかけとなった個展「End of support」(MATTER、東京、2022)で制作した作品を販売いたします。「End of support」展の前期では、今年の6月15日にサポートが終了した「Internet Explorer」をモチーフに木枠が組まれたパネルに壁画を制作。後期では、前期で制作した壁画をチェンソーで破壊し、再構築した作品が制作されました。木枠からの「サポート」を失った画面たちは、果たしてどこまでが絵画で、どう生きていくのか。そのような提起を含んだ作品群から、新たな挑戦への萌芽を感じてください。
《End of support #1》(2022)
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《End of support #2》(2022)
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《End of support #3》(2022)
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《End of support #4》(2022)
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販売は2022年10月8日(土)12:00より開始いたします。
プロフィール
仲衿香
1994年長野県生まれ。2019年東京造形大学絵画専攻卒業。目にした記号や日常生活の事物を絵画に落とし込み、アクリル絵具を用いた厚塗りが特徴の作品を制作している。「CAF賞2018」で白石正美賞を受賞。近年の個展に「Not Found」(SH GALLERY、東京、2021)など。グループ展に「biscuit gallery first anniversary exhibition『grid』」(東京、2022)ほか多数。
Information
仲衿香個展「SLEEPING JIVA」
会期:2022年10月8日〜10月23日 |
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