仲衿香は1994年生まれ。企業のロゴやSNSサービスなどの様々なアイコンをモチーフに、アクリル絵具を用いた厚塗りが特徴の絵画作品を制作しています。先代の偉人たちが日常の風景を絵画に落とし込み「保存」してきたように、現代に生きる彼女は目まぐるしいスピードで生まれては消えていく様々な記号を「保存」していきます。いまの時代に制作した作品は、何十年後、後世の人々が見てどう感じるのか。自分でも予測のつかない、壮大なアーカイブを試みているようなところが絵画の面白さだと、仲は言います。
このたびの個展「SLEEPING JIVA」では、これまで現代の記号を「保存する」ように描いてきた彼女が、「保存されなかった」作品をどう生きさせようとするのか、という新たな試みを見ることができます。
OIL by美術手帖では、彼女のこの新たな試みのきっかけとなった個展「End of support」(MATTER、東京、2022)で制作した作品を販売いたします。「End of support」展の前期では、今年の6月15日にサポートが終了した「Internet Explorer」をモチーフに木枠が組まれたパネルに壁画を制作。後期では、前期で制作した壁画をチェンソーで破壊し、再構築した作品が制作されました。木枠からの「サポート」を失った画面たちは、果たしてどこまでが絵画で、どう生きていくのか。そのような提起を含んだ作品群から、新たな挑戦への萌芽を感じてください。
《End of support #1》(2022)
《End of support #2》(2022)
《End of support #3》(2022)
《End of support #4》(2022)
販売は2022年10月8日(土)12:00より開始いたします。
プロフィール
仲衿香
1994年長野県生まれ。2019年東京造形大学絵画専攻卒業。目にした記号や日常生活の事物を絵画に落とし込み、アクリル絵具を用いた厚塗りが特徴の作品を制作している。「CAF賞2018」で白石正美賞を受賞。近年の個展に「Not Found」(SH GALLERY、東京、2021)など。グループ展に「biscuit gallery first anniversary exhibition『grid』」(東京、2022)ほか多数。
Information
仲衿香個展「SLEEPING JIVA」
会期:2022年10月8日〜10月23日 |