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Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #367|2022|Detail|©︎Enrico Isamu Oyama

大山エンリコイサム個展「Paint Blister」がNADiff a/p/a/r/tで開催。OIL by 美術手帖でマルチプル作品《FFIGURATI #367》のオンラインエントリーが2月24日スタート。

NADiff a/p/a/r/tで2月25日より開催の大山エンリコイサム個展「Paint Blister」にあわせて、マルチプル作品《FFIGURATI #367》がリリースされます。展覧会前日の2月24日(木)13:00よりOIL by 美術手帖にて、オンラインエントリーを行います。

 大山エンリコイサムは、エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したメディアを横断する表現により、現代美術の領域で注⽬を集めるアーティストです。1970-80年代のニューヨークで始まったライティング⽂化に影響され、その特有の線の動きを抽出し、再構成することで⽣み出された独⾃のモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」(QTS)を国内外で発表。作品制作にとどまらず、これまで複数の著作を刊⾏するなど、ストリートアートの批評やライティング⽂化の研究にも取り組んでいます。コム デ ギャルソンやシュウ ウエムラといった企業やブランドとのコラボレーションも⾏い、今年1⽉には、⼤⼭が⼿がけた横綱・照ノ富⼠の「三つ揃え化粧廻し」のアートワークが話題となりました。

(左)「Paint Blister」展イメージ。Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #366|Digital rendering|©Enrico Isamu Oyama
(右)⼤⼭が⼿がけた照ノ富⼠関の化粧廻し。Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #350|2022|Artwork ©︎Enrico Isamu Oyama, Photo ©︎Shu Nakagawa

 このたび、NADiff a/p/a/r/tで開催する⼤⼭エンリコイサムの個展「Paint Blister」では、ストリートアートの考察から得られたコンセプトを軸に、新たな壁⾯作品やインスタレーションを発表します。さらに、⼤⼭とNADiff a/p/a/r/tのコラボレーションにより、本展のテーマに基づいて制作されたオリジナルのマルチプル作品《FFIGURATI #367》を発表いたします。

■《FFIGURATI #367》について―作家のことば

Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #367|2022|Detail|©︎Enrico Isamu Oyama

 今回の個展は「ペイントブリスター」というコンセプトで構成されています。とくにNADiff a/p/a/r/tとのコラボレーションで制作されたオリジナルのマルチプル作品《FFIGURATI #367》は、このコンセプトの射程の深さをよく捉えています。ブリスターや膜という全体に共通する要素に加え、「純粋正面」というエアロゾル・ライティングの立体性をめぐる考えも反映しているためです。それは作家ステートメントで述べた内容からさらに踏み込んでいます。

 ステートメントでは、ライティングの立体性を「見る人の側に競り出る立体性」、純粋正面を「表象のうちに膨れあがり、厚みを帯びた正面性」とし、両者を近似する概念として定義しました。《FFIGURATI #367》の透明なアクリルプレートは表象の空間であり、その厚みのうちに立体的な「クイックターン・ストラクチャー」(QTS)が象られています。

 ただしQTSは、見る人の側に「競り出る」のではなく、表象の奥へと「彫り込まれて」いる、つまり逆方向に隆起しています。そのため私たちの視点も反転し、本来の「見る人」ではなく、膜の裏に生起するブリスターの側に重なることになります。同時に、QTSが彫り込まれた先、プレートの奥には、特殊加工でグリッド状に施されたブリスターがある。それは本来、私たちの視点がある「見る人」の側です。これは私たちとブリスターの、見ると見られるの関係が入れ替わった状態です。

 ブリスターを見る私たちは、同時にブリスターに見られているかもしれない。ライティングはしばしばライターの自画像であり、顔貌性があると言われます。ニューヨークが舞台の映画「Stations of the Elevated」では、遍在するストリートアートや広告が発する、都市を行き交う無意識の視線がテーマでした。ブリスターもまた、塗膜の無意識が生みだす微粒子状の視線だとすれば、人・都市・物質のうちに編まれた「見ること」のポリティクスに気がつきます。私たちは事物や現象を見るとき、無批判に人間中心主義に陥っていないでしょうか。

 《FFIGURATI #367》は、ライティングの造形における立体性をリテラルに再現するのではなく、表と裏のレイヤーを組み替えることで、視線のエコノミーをとりまく政治性を明るみに出し、ブリスターをめぐる本展独自の思索を空間化します。それは職人の技術と協働して生まれた、QTSの新たな表現なのです。

(大山エンリコイサム)

 

《FFIGURATI #367》

(左)Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #367|2022|©︎Enrico Isamu Oyama
(右)FFIGURATI #367|Detail|©︎Enrico Isamu Oyama

作家:大山エンリコイサム
素材:アクリルプレートに彫刻 / carving on acrylic plate
サイズ:(H)499.0×(W)367.4mm(額込み) ※最終調整中/縦横1cmほど変動の可能性がございます。
制作年:2022年
⽣産数:30
価格:407,000円(税込)
作品証明書付き(エディションナンバー・作家サイン入り) 
発送時期:2022年7月下旬頃を予定。

Enrico Isamu Oyama in his Brooklyn studio|2018|Photo ©Collin Hughes

 

■HOW TO ENTRY

本作品は当サイトにてオンラインエントリーを受け付けいたします。

<オンラインエントリー申し込み期間>

2022年2月24日(木)13:00~3月21日(月・祝)19:00

※エントリーの受付は終了いたしました

※本注意事項のすべてをご理解いただき、ご同意いただける方のみお申込みください。

【オンラインエントリーについて】
・受付期間は日本時間2022年2月24日(木)13:00~3月21日(月・祝)19:00です。
・通信状況や環境、ネットワークの遅延などが理由であっても、期間を過ぎての申込みは受け付けられません。
・エントリーは、お一人様マルチプル1口につき1エントリーまでとなります。
・1住所あたり日本国内在住の18歳以上の方1名のみが、エントリーを行うことができます。複数回の申込みをされた場合、すべての申込みを無効とさせて頂きます。
・本エントリーは購入を保証するものではありません。お申込み後、エントリーいただいた方の中から、当社にてご購入者様を決定します。
・本申込の当選者選定に関して、作家、所属ギャラリーは関与しておりません。作家・所属ギャラリーへの直接のご連絡はお控えください。
・当選者様の選定基準などについては、一切開示いたしません。
・自らが作品を収蔵する目的で他人にエントリーを依頼したり、ともに計画を立てたりそれを実行することはできません。
・アート販売を行う事業者やアートディーラーの方など、自らが作品を収蔵する目的以外の購入については、本エントリーにお申込みいただけません。
・申込みいただいた方全員に、2022年4月下旬までに抽選の結果をメールにてご連絡します。

【所有権変更禁止期間について】
・本作品は、健全なアート取引、またアーティストや作品の価値を守るため、転売・譲渡・寄付などの作品の所有権を変更または移転する行為を禁止する期間が設定されています。所有権移転の禁止期間は2025年3月31日までです。エントリーページ上で本内容へのご同意をいただけない場合はご購入いただけません。
・万が一、転売禁止期間中にやむを得ない事情で作品の所有権の移転を希望する場合は、当社へ事前のご連絡とご相談をお願致します。
(連絡先:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
CCCアートラボ事業本部 NADiff a/p/a/r/t nadiff_apart@ccc.co.jp)

【マルチプル作品の購入・お届けについて】
・当選ご案内後のキャンセルまたは購入希望の変更、はお受けできません。また、当選権利の譲渡、換金はできません。
・送料はご購入者様のご負担・着払いでの発送となります。日本国内の住所のみ発送可能です。
・本作品の発送時期は、2022年7月下旬頃を予定しております。
・本申込おいて、ご購入者様以外による申込みなど不正の可能性が高い、または今回の申込条件に対して不適切であると当社が判断した場合、当選発表後、代金の支払い後であってもその当選を無効とさせていただき、代金の返金手続きを行います。尚、返金手続きに係る手数料等の諸費用は、当該本エントリー申込者が負うものとします。

【その他の注意事項】
・当社より、お申込みいただいたメールアドレスに、アート作品のご提案などのお知らせをお送りする場合がございます。配信を希望されない場合は、本ページ内該当部分のチェックボックスのチェックを外してください。デフォルトは、メール配信に同意いただいている状態です。
※個人情報の取り扱いについては下記をご確認ください。
https://www.ccc.co.jp/customer_management/privacy/index.html
・当社への事前の連絡なく転売・無償譲渡(寄付を含む)が判明した場合、今後当社からの作品の販売をお断り致します。
・本作品の販売はTポイントが貯まりません。

【本申込に関するお問い合わせ】
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
CCCアートラボ事業部 OIL by 美術手帖
cs_oil@ccc.co.jp(営業日:木、金、土、日、祝)

編集部

Artist Profile

大山エンリコイサム

美術家。エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現を展開。イタリア⼈の⽗と⽇本⼈の⺟のもと、1983年に東京で⽣まれ、同地に育つ。2007年に慶應義塾⼤学卒業、2009年に東京藝術⼤学⼤学院修了。2011−12年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの招聘でニューヨークに滞在以降、ブルックリンにスタジオを構えて制作。2020年には東京にもスタジオを開設し、現在は⼆都市で制作を⾏なう。

Information

⼤⼭エンリコイサム「Paint Blister」

会期:2022年2⽉25⽇(⾦)〜2022年3⽉21⽇(⽉・祝)
会場:1階 NADiff a/p/a/r/t & 地下1階 NADiff Gallery
主催:NADiff a/p/a/r/t
協力:Takuro Someya Contemporary Art、株式会社中川ケミカル
お問い合わせ:03-3446-4977(※営業時間内)/nadiff_info@ccc.co.jp
営業日:木、金、土、日、祝
営業時間:13〜19時
料金:無料

Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #367|2022|Detail|©︎Enrico Isamu Oyama

Enrico Isamu Oyama, FFIGURATI #367|2022|Detail|©︎Enrico Isamu Oyama