森栄喜
Eiki Mori
森栄喜は1976年石川県金沢市生まれ。2001年パーソンズ美術大学写真学科卒業。1年にわたって恋人や友人との親密な関係性を丁寧に撮り下ろした写真集『intimacy』(ナナロク社、2013)で、第39回木村伊兵衛写真賞を受賞。ジェンダーの多様性や家族形態をテーマとした写真、映像、パフォーマンス作品を発表している。ジョン・ミルトンの叙事詩『復楽園』から着想を得て、「家族」を主題とした作品《Family Regained》(2017)では、住居や庭先で地震と親交のある夫婦や恋人、友人らをセルフタイマーで撮影。作家自身も登場する写真はイメージ全体が赤くプリントされ、近代以降に形成された家族概念についてや、血縁以外に家族を形成するものは何かを問いかける。近年は、LGBTをはじめとする多様性のあり方について、自らの体験や感情を交えた文章や詩の制作も行う。主な個展に、「シボレス|破れたカーディガンの穴から海原を覗く」(KEN NAKAHSHI、東京、2020)「Letter to My Son」(KEN NAKAHASHI、東京、2018)「We See a Rainbow」(Festival/Tokyo、東京、2018)、「Family Regained: The Splash -We brush our teeth, take a shower, put on pajamas and go out into the street-」 (NADiff Gallery、東京、2017)。展覧会に、「フェミニズムズ/FEMINISMS」(金沢21世紀美術館、2021-22)、「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.10 ここに境界線はない。/?」(高松市美術館、2022)、「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家vol.15」(東京都写真美術館、2018)、「Fashioning Identity」(京都精華大学ギャラリーフロール、2016)、「Wedding Politics」(chef d'oeuvre、大阪、2015)、「Absorption and Explosion」(Videotage、香港、2014)などがある。