佐藤翠
Midori Sato
佐藤翠は1984年愛知県生まれ。2008年名古屋芸術大学絵画科洋画コース卒業。在学中ディジョン国立美術大学(フランス)へ交換留学し、10年東京造形大学大学院造形学部修士課程を修了。平成29年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてフランスにて研修を行う。色とりどりの服が掛かったクローゼット、高いヒールの靴が並ぶシューズラック、鮮やかな花々。佐藤翠の絵画は女の子の憧れが詰まった宝石箱のようであり、大胆で素早いタッチがモチーフの輪郭を溶かし、具象性と抽象性が共存しつつ鮮やかな色彩と卓抜な構成が強い魅力を放つ。また絵画の魅力、喜びに溢れ、「ほのかな、かすかな官能性の香りがいわば隠し味のように重なって、比類ない豊麗な世界」(高階秀爾『ニッポン・アートの躍動』(講談社)を生み出している。主な個展に、「Reflections」(Roppongi Hills A/D Gallery、東京、2017)、「Orange glow」(Green Art Flowers Gallery、パリ、2018)、「Diaphanous petals」(ポーラ美術館アトリウムギャラリー、神奈川、2019)、「Bouquets」(8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery、東京、2019)など。主なグループ展に、「絵画を抱きしめてEmbracing for Painting -阿部未奈子・佐藤翠・流麻二果展-」(資生堂ギャラリー、東京、2015)、「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラヴァンサライ」など。芥川賞受賞作家・中村文則の小説『去年の冬、きみと別れ』(幻冬舎、2013)、女性作家集団「アミの会(仮)」の短編小説集『アンソロジー 嘘と約束』(光文社、2019)の装画や、『花椿』(資生堂)にて原田マハの短編小説と挿画でコラボレーション、コスメブランド「RMK」とのコラボレーションによるメイクアップキットが販売されるなど、その活躍の場を広げている。「VOCA展2013 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京)では大原美術館賞を受賞、作品は同美術館に収蔵されている。