今井麗
Ulala Imai
今井麗は1982年神奈川県生まれ。2004年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。06年頃より画家としての活動を本格化させ、初期ではフランス人形などをモチーフとした作品を発表。その後は、焼きたてのトーストやみずみずしい果物が並ぶ食卓の様子、またコアラやチンパンジーなどの動物のぬいぐるみ、アニメキャラクターのフィギュアが登場する室内風景などを描く。かけがえのない日々の記録でもある作品群は、油絵の古典的な技法を用いて制作され、対象物を的確にとらえるすばやい筆致が特徴。近年は光の効果を追求し、モチーフとなる食材そのものが内部から発光しているかのような、崇高な気配をまとう作品を手がけている。
「虎屋」の広告や、植本一子のエッセイ『かなわない』の装画などを担当。2012年にシェル美術賞本江邦夫審査員奨励賞受賞。近年の個展に、作品集出版記念展「gathering」(nidi gallery、東京、2018)、「project N 78 今井麗」(東京オペラシティ アートギャラリー、2020)、「MARCH」(「OIL by 美術手帖」ギャラリー、東京、2020)、「LOVERS」(XYZ collective、東京、2019)など。「現代地方譚7 食ノ間」(すさきまちかどギャラリー、高知、2020)、「アート369フェスティバル」(那須塩原市、2019)に参加。18年に初となる画集『gathering』(baci)を刊行した。