中村弘峰
Hiromine Nakamura
中村弘峰は1986年福岡県生まれ。2009年東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。11年に同大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了後、父であり、博多祇園山笠・土居流(どいながれ)の舁(か)き山人形のつくり手である博多人形師・中村信喬に師事。「中村人形」の4代目を継ぎ、伝統を重んじつつ現代性を取り入れた斬新な作品を手がけている。代表作に、「江戸時代の人形師が現代にタイムスリップしたら」という発想から、子供の健やかな成長を祈願する五月人形と、野球選手やアメフトプレイヤーといった現代のアスリートをかけ合わせた「アスリートシリーズ」、雅な紋様をあしらった「動物シリーズ」など。従来の概念にとらわれない斬新な作品ながら、古来人々が人形に願いを込めてきたように、いまも変わらない「祈り」を託している。近年の個展に、「MVP(Most Valuable Prayers)」(日本橋高島屋 美術画廊X、東京、2018)、「SUMMER SPIRITS」(ポーラ ミュージアム アネックス、東京、2019)。受賞歴に、「第54回西部伝統工芸展」日本工芸会賞(2019)、「伝統工芸創作人形展」中村記念美術館賞(2017)、「第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ コンペティション部門」優秀賞(2016)などがある。