小村希史
Marefumi Komura
小村希史は1977年東京都生まれ。ロックや実験音楽への興味から96年に渡米。シアトルに滞在し、ザ・アート・インスティチュート・オブ・シアトルで絵を学ぶ。帰国後も制作を続け、2006年の「GEISAI #10」でのブロンズ賞、藤原ヒロシ賞の受賞をきっかけに作家活動を本格化させる。07年に初個展「Untitled」(Wall of Sound、シアトル)を開催。初期では主に、人体や顔をモチーフとした厚塗りの人物画を発表し、並行して抽象画も手がける。作品は共通して作家が心惹かれる「もろさ」や「弱さ」といったテーマが根底にある。東日本大震災を節目に自身の絵画に向き合い、空白期間を経て、2018年の個展「大きな船 / Big Ship」で抽象画のシリーズ「Subtract(取り去る、差し引く)」を発表。絵具を荒々しく削り除く手法による線やかすれによって、儚さや不完全の美を表現し、新境地を見せた。近年の個展に「ダイヤモンド」(AKIO NAGASAWA GALLERY AOYAMA、東京、2019)。これまでの展覧会に、「3331 Art Fair - Various Collectors’ Prizes」(アーツ千代田3331、東京、2014)、「アートがあればII ─ 9人のコレクターによる個人コレクションの場合」(東京オペラシティ アートギャラリー、2013)などがある。