戸谷成雄
Shigeo Toya
戸谷成雄は1947年長野県生まれ。愛知県立芸術大学大学院彫刻専攻修了。ポンペイ(イタリア)の火山灰に埋もれた事物や、その物質性とフォルム、モニュメント性に「彫刻的なるもの」の記憶を探った《POMPEII・・79》(1974)を発表以来、一貫して彫刻の原理とその構造を追究し続けてきた。また、「ポスト・ミニマリズム」や「もの派」といった潮流のなかで解体された彫刻の再構築を志向し、チェーンソーで木材を荒々しく削ることで成形した木彫作品を中心に制作。1984年から、ライフワークでもある「森」シリーズ、1994年から「《境界》から」シリーズ、2000年頃から「ミニマルバロック」シリーズなどを発表してきた。
主な個展に「視線の森」(広島市現代美術館、1995)、「戸谷成雄―さまよう森」(国際芸術センター青森、2001)、「戸谷成雄―現れる彫刻」(武蔵野美術大学美術館、2017)など。このほか、1988年の第43回ヴェネチア・ビエンナーレを皮切りに「プライマルスピリット:現代日本彫刻展」(カウンティー美術館、ロサンゼルス、1990)、第9回インド・トリエンナーレ(ラリット・カラ・アカデミー、1997)、第3回光州ビエンナーレ:人間+空間(2000)といった国際展にも多数参加してきた。