小野祐次
Yuji Ono
⼩野祐次は1963年福岡県生まれ。86年大阪芸術大学芸術学部写真学科を卒業し、フランスを拠点に活動。16〜18世紀の絵画を被写体に、「視ること・記憶・光」といった写真の根源的なテーマにまつわる問いを投げかけている。95年より「タブロー」シリーズを制作。「被写体となる絵画が制作された時代と同じ条件に戻る」ことをコンセプトに、ルネサンスから印象派までの絵画を美術館に入る⾃然光やわずかな明るさのもとで撮影し、光が描き出したもうひとつの「絵画」を提示することを試みている。また「ルミネソンス」シリーズ(2005〜)では、ヨーロッパの宮殿や城などのシャンデリアを形成するクリスタルの連なりに注目し、外部からエネルギーを受けて光を放つ素材を介して、光とは何かを問いかけている。
これまでの主な個展に、「Vice Versa ‒ Les Tableaux 逆も真なり−絵画頌」(シュウゴアーツ、東京、2018)、「消える名画」(ツァイト・フォト・サロン、東京、2000)、「ルミネセンス」(ツァイト・フォト・サロン、東京、2004)、アルル国際写真フェスティバル(招待作家として、2005)、パリ市立写真美術館(2006)。作品は、パリ国⽴図書館、カルナヴァレ美術館、ヒューストン現代美術館、パリ市⽴ヨーロッパ写真美術館、フランソワ・ピノー現代美術コレクション、アライア・コレクションに収蔵されている。