元田敬三
Keizo Motoda
元田敬三は1971年大阪府生まれ。96年に大阪新聞で「ON THE STREET」という路上で出会った人々を文章と写真で紹介するシリーズを連載。それが現在に続く作品スタイルの原点になる。連載では毎回、被写体との出会いを1枚の写真と記事で紹介しているのだが、一瞬の邂逅と人物像が鮮やかに伝わって来る内容であった。元田が選ぶ人たちは群衆のなかで明らかに特異なオーラを放ち、独自の人生観を持っている人たちである。一度撮った人を時をおいて何度も密着して撮影するのも特徴で、90年代から現在までたびたび登場する人たちがいる。その人々と元田の人生が継続的にクロスし、対話があり、たまに私生活的な事情にも巻き込まれたりするが、不思議な信頼関係がありそれが写真を魅力的なものにしている。
主な個展に、「ON THE STREET, OSAKA」(ガーディアン・ガーデン、東京、1996)、「SNAP OSAKA」(photographers’ gallery、東京、2002)、「Sunday Harajuku」(エプサイト、東京、2013)、「御意見無用」(MEM、東京、2018)など。主なグループ展に、「out of the ordinary / extraordinary 現代日本写真」(ケルン日本文化会館、ドイツ、2004)、「借りた場所、借りた時間」(BankART Studio NYK、神奈川、2005)、「東京・TOKYO 日本の新進作家 vol.13」(東京都写真美術館、2016)、「ドレス・コード?──着る人たちのゲーム」(京都国立近代美術館、熊本市現代美術館、2019)など。