保井智貴
Tomotaka Yasui
保井智貴は1974年ベルギー・アントワープ生まれ。2001年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。乾漆や螺鈿など日本の伝統技術を用いた彫刻作品の制作を行う。忙しない現代社会のなかで、人間がつくり出す穏やかな瞬間に目を向け、その佇まいや空気感を内包するような人物彫刻を通して、自然の本質を表現することを試みている。また木材のキューブを組み合わせた人物彫刻、螺鈿とアクリルキューブの彫刻、空間と人物像を町と家に置き換え彫刻に見立てる「まちにある家という彫刻」というプロジェクトなど、空気感に対するアプローチは広がりを見せている
05年に第34回中原悌二郎賞優秀賞を受賞。また、彫刻表現をベースとする作家、彫刻を専門領域とする批評家、美術の現場に携わるデザイナーからなる同人「AGAIN-ST」のメンバーとして、彫刻のいまを問う活動に参加している。これまでの個展に、「Misty」(void+、東京、2019)、「遠くにある意志。」(MA2 Gallery、東京、2017)、「空気にある、光と時間。」(Mizuho Oshiro ギャラリー、鹿児島、2016)、「保井智貴展 佇む空気 / silence」(彫刻の森美術館、神奈川、2014)などがある。