沖綾乃は1994年栃木県生まれ。2020年武蔵野美術大学造形学部日本画学科卒業。「美人画」と呼ばれるジャンルに寄り添う形で出てきた沖綾乃の世界は、深いエロティシズムの視線へと鑑賞者をいざなう。コーヒーをひっくり返したような乱暴な着彩で描かれる女性達は、官能的な激しさを含んだ視線を投げかける。その官能性は、日本らしい楽天的な幸福への希求を示唆するように思われる。主な個展に、「37.2℃の肌」（GALLERY SCENA、東京、2024）、「裸に咲く花」（八犬堂ギャラリー、東京、2023）、「boundary」（伊勢丹浦和店アートギャラリー、埼玉、2020）、グループ展に、「しわざ」（Artglorieux of TOKYO、東京、2023）、「春愁」（耀画廊、東京、2022）、「SOU ～奏～６人のアーティスト展」（伊勢丹新宿店アートギャラリー、東京、2022）など。