ニューヨークを拠点に活動するフランス人編集者、作家、スタイリストのクリストファー・ニケ(Christopher Niquet)によるファッション&カルチャー誌。毎号一人のアーティスト、写真家、タレント、作家の意見や作品に焦点を当て紹介する。クリストファー・ニケは、これまでにカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)やクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)、アンナ・モリナーリ(Anna Molinari)をはじめとしたデザイナーの舞台裏で働き、『ヴァニティ・フェアVanity Fair)』誌の寄稿ライター、『エル・フランスELLE France)』誌のエディター、『セルフ・サービスSelf Service)』誌のスタイリストを務めた経験を持つ。

アートディレクションは「Rupert Smyth Studio」が手がける。ファッション、アート、本を愛する人たちのコレクターズアイテムとして毎号異なるデザインで企画されている。

第12号は、フランスのファッション史家、キュレーターのオリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard)を特集する。過去二十年にわたり、作者はファッションの制度を意図的に再構築、同時にそれを解体してきた。2000年にフランス・パリの「パリ装飾芸術美術館(Musée des Arts Décoratifs)」のヘッドキュレーターに就任し、2010年からはパリのファッション博物館、「ガリエラ宮 パリ市立モード美術館(Palais Galliera)」をファッション史の“大聖堂”へと変貌させ、2017年以降は、アライア財団(Alaïa Foundation)を率い、衣服がアーティストとの対話を生む場を創造している。

作者は「山本耀司(Yohji Yamamoto)」「クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)」「ジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)」「マダム・グレ(Madame Grès)」「バレンシアガ(Balenciaga)」といった展覧会のキュレーションで知られているが、その独自性は、パフォーマンスの場においてもっとも明瞭に現れる。2018年に始動した「モーダ・ポーヴェラ(Moda Povera)」は作者の私的なステージであり、日常の衣服を用いて、解体/再構築をおこない衣服の意味と関係性を問い直すパフォーマンス・プロジェクトである。またそれは、手仕事への賛歌であり、衣服を芸術に近い何かへ脆く引き上げる試みでもある。

本号のために、スイス人フォトグラファー、センタ・サイモンド(Senta Simond)がその舞台に入り、モーダ・ポーヴェラの《Wedding Dresses Always End Up Single》第27章を記録した。オンラインや寄付回収ボックスで集めた中古のウエディングドレスから構成されたパフォーマンスであり、引き裂かれ、縫い合わせられたドレスはノスタルジーを拒むようでもある。パリでおこなわれた本撮影には、オリジナルのパフォーマーであり、長年のコラボレーターであるアクセル・ドゥエ(Axelle Doué)に加え、サイモンドが選んだ若いモデル2名が参加。新たな顔ぶれが、ドレスに別の命を宿し、パフォーマンスの外へ押し広げた。

ページに残るのは二つ。サイヤールの表意の記録と、サイモンド自身の創意である。彼女のイメージは、布を一枚重ねるようにパフォーマンスに重なり、溶け合う。

また、本号には、メインポートフォリオと対を成すよう、スタイリストのシャーロット・コレット(Charlotte Collet)とサイモンドが撮影したファッションストーリーも収録する。もし、モーダ・ポーヴェラのウェディングドレスのパフォーマンスが儀式と解体の気配を帯びているなら、このシューティングは若さゆえの無頓着さに満ちているだろう。

コントリビューター:シャルロット・コレット(Charlotte Collet), アンジェロ・フラッカヴェント(Angelo Flaccavento), オリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard), センタ・サイモンド(Senta Simond)

※ 本書は製作プロセス、紙の性質上、カバーの角部分に軽度のダメージがある可能性がございます。予めご了承ください。

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オリヴィエ・サイヤール

STUDY MAGAZINE VOLUME 12

2025

¥ 7,700 (税込)

ニューヨークを拠点に活動するフランス人編集者、作家、スタイリストのクリストファー・ニケ(Christopher Niquet)によるファッション&カルチャー誌。毎号一人のアーティスト、写真家、タレント、作家の意見や作品に焦点を当て紹介する。クリストファー・ニケは、これまでにカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)やクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)、アンナ・モリナーリ(Anna Molinari)をはじめとしたデザイナーの舞台裏で働き、『ヴァニティ・フェアVanity Fair)』誌の寄稿ライター、『エル・フランスELLE France)』誌のエディター、『セルフ・サービスSelf Service)』誌のスタイリストを務めた経験を持つ。

アートディレクションは「Rupert Smyth Studio」が手がける。ファッション、アート、本を愛する人たちのコレクターズアイテムとして毎号異なるデザインで企画されている。

第12号は、フランスのファッション史家、キュレーターのオリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard)を特集する。過去二十年にわたり、作者はファッションの制度を意図的に再構築、同時にそれを解体してきた。2000年にフランス・パリの「パリ装飾芸術美術館(Musée des Arts Décoratifs)」のヘッドキュレーターに就任し、2010年からはパリのファッション博物館、「ガリエラ宮 パリ市立モード美術館(Palais Galliera)」をファッション史の“大聖堂”へと変貌させ、2017年以降は、アライア財団(Alaïa Foundation)を率い、衣服がアーティストとの対話を生む場を創造している。

作者は「山本耀司(Yohji Yamamoto)」「クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)」「ジャンヌ・ランバン(Jeanne Lanvin)」「マダム・グレ(Madame Grès)」「バレンシアガ(Balenciaga)」といった展覧会のキュレーションで知られているが、その独自性は、パフォーマンスの場においてもっとも明瞭に現れる。2018年に始動した「モーダ・ポーヴェラ(Moda Povera)」は作者の私的なステージであり、日常の衣服を用いて、解体/再構築をおこない衣服の意味と関係性を問い直すパフォーマンス・プロジェクトである。またそれは、手仕事への賛歌であり、衣服を芸術に近い何かへ脆く引き上げる試みでもある。

本号のために、スイス人フォトグラファー、センタ・サイモンド(Senta Simond)がその舞台に入り、モーダ・ポーヴェラの《Wedding Dresses Always End Up Single》第27章を記録した。オンラインや寄付回収ボックスで集めた中古のウエディングドレスから構成されたパフォーマンスであり、引き裂かれ、縫い合わせられたドレスはノスタルジーを拒むようでもある。パリでおこなわれた本撮影には、オリジナルのパフォーマーであり、長年のコラボレーターであるアクセル・ドゥエ(Axelle Doué)に加え、サイモンドが選んだ若いモデル2名が参加。新たな顔ぶれが、ドレスに別の命を宿し、パフォーマンスの外へ押し広げた。

ページに残るのは二つ。サイヤールの表意の記録と、サイモンド自身の創意である。彼女のイメージは、布を一枚重ねるようにパフォーマンスに重なり、溶け合う。

また、本号には、メインポートフォリオと対を成すよう、スタイリストのシャーロット・コレット(Charlotte Collet)とサイモンドが撮影したファッションストーリーも収録する。もし、モーダ・ポーヴェラのウェディングドレスのパフォーマンスが儀式と解体の気配を帯びているなら、このシューティングは若さゆえの無頓着さに満ちているだろう。

コントリビューター:シャルロット・コレット(Charlotte Collet), アンジェロ・フラッカヴェント(Angelo Flaccavento), オリヴィエ・サイヤール(Olivier Saillard), センタ・サイモンド(Senta Simond)

※ 本書は製作プロセス、紙の性質上、カバーの角部分に軽度のダメージがある可能性がございます。予めご了承ください。

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取り扱い twelvebooks
サイズ 29.7 x 21.0 x cm
重量 1.0kg
商品コード 1100048334
出版 STUDY
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送料 ¥770(税込)
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