OIL by 美術手帖での「New Form」展（2021/12/10～28）出品作品。

グラフィックデザイナー／アーティストの岡田将充は1987年兵庫県生まれ。現在は京都を拠点に活動。

岡田はグラフィックデザインの領域で活躍する傍ら、アーティストとして3DCGによるアートワークを手掛け、最新の試みとして、NFT作品を公開するなど、様々なジャンルで表現することを追求している。

本作「フォルム」シリーズは、パッケージデザインや商品のモックアップ（試作品の模型）を作るために使用される3D制作ツール用いて制作された作品群。

「フォルム」のイメージに登場するプロダクトや植物などは、実際にツール内で誰でも手に入れることができる素材だが、岡田はこれらの本来の機能性を無視して「どう積み重ねるか」を試行錯誤し、イメージ彫刻作品として表現している。

■アーティスト・ステートメント

3DCGを用いた一連のシリーズ「フォルム」は、Adobe DimensionやAdobe Substance 3D Stager というモデリングソフトにより思考を具体化している。当ソフトは本来、デザイナーがパッケージデザインや商品モックアップなどのシミュレーションに利用することを目的としており、通常は表現行為には用いない。

「フォルム」の3Dモデリングのプロセスではまず、元となる素材を購入する。このプロセスによって「完全なオリジナルの（存在しない）モチーフ」を作り出すのではなく、だれでも手に入れることのできる素材を用いて組み合わせることで、既製素材が内包する「わかりやすい」機能から逃れ、別の視覚的な価値として本来の機能ではない形で独自の“フォルム”を作り、純粋な構造体、デジタルイメージ作品を作り出すことができるのかを日々模索している。

（岡田将充）