【作品説明】

畠山耕治は銅器の伝統的産地として知られる富山県高岡市出身の金工作家です。型に溶かした金属を流し込む鋳金技法を用い、要素を極限までそぎ落としたシンプルで奥行き深いフォルムの作品を数々作り上げてきました。「素材には意識が宿っている」という考え方のもと素材と作家の相互作用によって作品表面に立ち現れてくる色彩や質感は、空間に清廉な存在感を放ちながら、雄弁に語りかけます。

本作品は正方形という形の中に込められた、様々な色調、風合い、質感が一目で楽しめる壁設置も可能な作品です。白色ベースの色調と左半分の特徴的な青銅の風合いがアクセントとして交じり合い、素材感を十分に味わうことが出来る一点です。

【作家略歴】

畠山　耕治（はたけやま・こうじ）

1956年富山生まれ。1980年金沢美術工芸大学工芸科鋳金専攻卒業。現在は金沢美術工芸大学教授を務めつつ富山県にて制作を行う。

日本各地だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、南米、オセアニアと世界各地で個展やグループ展に精力的に参加。

主な受賞歴に2001年タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞、2007年佐野ルネッサンス鋳金展大賞、2012年MOA岡田茂吉賞・MOA美術館賞、菊池寛実記念智美術館茶の湯の現代奨励賞がある。

作品の収蔵先はヴィクトリア&アルバート美術館（ロンドン・イギリス）、バーミンガム美術館 （バーミンガム・イギリス）、フィラデルフィア美術館（フィラデルフィア・アメリカ）、スコットランド王立美術館（エジンバラ・イギリス）、アバディーン美術館（アバディーン・イギリス）、フランクフルト応用美術館（フランクフルト・ドイツ）、デンマーク王室（コペンハーゲン・デンマーク）、アッシュモレアン美術館（オックスフォード・イギリス）、パリ装飾美術館（パリ・フランス）、国立ギメ東洋美術館（パリ・フランス）、ヴィクトリア国立美術館（メルボルン・オーストラリア）、アルゼンチン近代美術館（ブエノスアイレス・アルゼンチン）、東京国立近代美術館（東京）、金沢21世紀美術館（金沢）、国際交流基金（東京）、高岡市美術館（高岡）、菊池寛実記念智美術館（東京）、樂翠亭美術館（富山）、資生堂アートハウス（掛川）、MOA美術館（熱海）、薬師寺（奈良）、MIHOミュージアム（滋賀） と国内外に多数。