都会のビル群や古代の遺跡など、人の暮らしを包み込む建造物の多くに共通する幾何学的な形態、そして年月による風化や劣化の跡。いつのころからか、そうした構造物が併せ持つ「構築と劣化」といった二面性に魅かれ、そのイメージを自らの創作に表現するべく思考錯誤を重ねてきた竹内。通常、陶磁器制作においてタブーとされる「たたき割る」という行為を逆に積極的に作品の表現手法として取り入れることによって、自らが追い求めていた「構築と破壊」という像を Modern Remains と名付けた白磁の立体造形シリーズにおいて体現してきました。

 

【作家の言葉】

「磁器でスカルプチャーを制作はじめた頃に、四角柱を組み合わせて、何とか遺跡のような雰囲気を表現出来ないかと取り組みだした。試行錯誤の日々が続いたある日、不覚にも、誤って完成作品を落としてしまう事故が起きた。私は、その割れた作品が放つ、洗練された美しさに何故か魅せられ、ハンマーを取り出し、他の完成作品も全て割って、展覧会に出展した。2006年の出来事であり、これがModern Remainsシリーズのはじまりとなった。

遺跡や朽ち果てた造形物を見た時に、多くの人は、もの懐かしく、感傷的な気持ちに駆られると思う。しかし、すでに果ててしまった部分と、目に見える存在部分とが絶妙なバランスにある時に、その儚さと力強さの美は、さらに大きく人々に訴えかけるのではないかと私は考える。私はこの絶妙なバランスを常に意識し、模索しながら、ハンマーで作品を割る行為を行っている。

そして、人類の歴史は、創造と破壊の繰り返しの上に成り立っていると思う。人間が造った多くの驚嘆に値する創造物は、人間によって破壊され、また新たに造られるという歴史を繰り返してきた。Modern Remainsシリーズには、人類の性というべき、創造と破壊というテーマが内包されている。

また、陶芸の世界では、割れてしまった作品は、使いものにならないことであり、そして制作途中で割れた作品は失敗を意味する。私はあえて、この固定概念に疑問を投げかけてみたい。もし、故意に割られた作品が、人々の美意識に訴えかける事ができ、美として認識されるとしたら、それは長年構築されてきた陶芸の世界に一石を投じることになると思う。特に、極めて長く、深い歴史を持つ、日本の陶芸の世界においては。

私の作品は、以上の二つの主要なコンセプトから成り立っているが、私が、壊れた作品を見て、最初に感じた「美しい」という気持ちを忘れたくはないと思う。作品のコンセプトが何であれ、私は美しいと思わない作品は造りたくはない。もしかしたら、これが私の一番のコンセプトなのかもしれない。」―竹内紘三

 

【作家略歴】

竹内 紘三(たけうち・こうぞう)

1977年兵庫県生まれ。2001年大阪芸術大学工芸学科陶芸コース卒業、2003年岐阜県多治見市陶磁器意匠研究所卒業。現在、兵庫県にて制作。受賞歴に、2005年第27回長三賞現代陶芸展奨励賞、2016年神戸ビエンナーレ現代陶芸コンペティション奨励賞。主な収蔵先に、ボストン美術館(ボストン、アメリカ)、ビクトリア・アンド・アルバート美術館(ロンドン)、チェルヌスキ美術館(パリ)、兵庫陶芸美術館(兵庫)、アナドル大学美術館(トルコ)、世界のタイル博物館(愛知)などがある。

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竹内紘三

Modern remains

2013

¥ 99,000 (税込)

都会のビル群や古代の遺跡など、人の暮らしを包み込む建造物の多くに共通する幾何学的な形態、そして年月による風化や劣化の跡。いつのころからか、そうした構造物が併せ持つ「構築と劣化」といった二面性に魅かれ、そのイメージを自らの創作に表現するべく思考錯誤を重ねてきた竹内。通常、陶磁器制作においてタブーとされる「たたき割る」という行為を逆に積極的に作品の表現手法として取り入れることによって、自らが追い求めていた「構築と破壊」という像を Modern Remains と名付けた白磁の立体造形シリーズにおいて体現してきました。

 

【作家の言葉】

「磁器でスカルプチャーを制作はじめた頃に、四角柱を組み合わせて、何とか遺跡のような雰囲気を表現出来ないかと取り組みだした。試行錯誤の日々が続いたある日、不覚にも、誤って完成作品を落としてしまう事故が起きた。私は、その割れた作品が放つ、洗練された美しさに何故か魅せられ、ハンマーを取り出し、他の完成作品も全て割って、展覧会に出展した。2006年の出来事であり、これがModern Remainsシリーズのはじまりとなった。

遺跡や朽ち果てた造形物を見た時に、多くの人は、もの懐かしく、感傷的な気持ちに駆られると思う。しかし、すでに果ててしまった部分と、目に見える存在部分とが絶妙なバランスにある時に、その儚さと力強さの美は、さらに大きく人々に訴えかけるのではないかと私は考える。私はこの絶妙なバランスを常に意識し、模索しながら、ハンマーで作品を割る行為を行っている。

そして、人類の歴史は、創造と破壊の繰り返しの上に成り立っていると思う。人間が造った多くの驚嘆に値する創造物は、人間によって破壊され、また新たに造られるという歴史を繰り返してきた。Modern Remainsシリーズには、人類の性というべき、創造と破壊というテーマが内包されている。

また、陶芸の世界では、割れてしまった作品は、使いものにならないことであり、そして制作途中で割れた作品は失敗を意味する。私はあえて、この固定概念に疑問を投げかけてみたい。もし、故意に割られた作品が、人々の美意識に訴えかける事ができ、美として認識されるとしたら、それは長年構築されてきた陶芸の世界に一石を投じることになると思う。特に、極めて長く、深い歴史を持つ、日本の陶芸の世界においては。

私の作品は、以上の二つの主要なコンセプトから成り立っているが、私が、壊れた作品を見て、最初に感じた「美しい」という気持ちを忘れたくはないと思う。作品のコンセプトが何であれ、私は美しいと思わない作品は造りたくはない。もしかしたら、これが私の一番のコンセプトなのかもしれない。」―竹内紘三

 

【作家略歴】

竹内 紘三(たけうち・こうぞう)

1977年兵庫県生まれ。2001年大阪芸術大学工芸学科陶芸コース卒業、2003年岐阜県多治見市陶磁器意匠研究所卒業。現在、兵庫県にて制作。受賞歴に、2005年第27回長三賞現代陶芸展奨励賞、2016年神戸ビエンナーレ現代陶芸コンペティション奨励賞。主な収蔵先に、ボストン美術館(ボストン、アメリカ)、ビクトリア・アンド・アルバート美術館(ロンドン)、チェルヌスキ美術館(パリ)、兵庫陶芸美術館(兵庫)、アナドル大学美術館(トルコ)、世界のタイル博物館(愛知)などがある。

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取り扱い 現代美術 艸居
サイズ 21.0 x 31.0 x 19.0 cm
素材 磁器
商品コード 1100004729
配送までの期間 1週間以内
備考 送料別
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