石山はこれまで、信楽を拠点に、中国の景徳鎮、台湾、香港、インドなどで、象嵌、金銀彩、ガラスを水面に見立てた水面晶シリーズなど、高い技術を駆使したユニークな作品を制作、発表してきました。本作品は摩滅したような輪郭で、金彩された凹凸のある表面に覆われて、デフォルメされ、本来の細部は消失しています。それにも関わらず、その形状は記憶に働きかけ、慣れ親しんだアイコンのイメージをぼんやりと喚起します。曖昧で不確かなアイコンのアウトラインが私たちの感覚に訴えかけ、見えないものを見せてくれているかのようです。

 

【作家の言葉】

「何故か古いものに魅せられて、狂ったように追い求めてきた。発掘に携わったこともある。購入して手元に来るものもあるし、眼の前にあっても、触ることもできないものもある。どんなに有名なものでも、何度となく見たことのあるものでも、わかったつもりでいて実は何も理解していない。物には制作者の育った環境、宗教観・哲学が込められているはずであるが、鑑賞者からするとただの美術品としての物にしか見えていないのだ。ぼんやりとした雰囲気、パーツを覚えているだけである。なめらかだと思っていても、改めて見たら凸凹だったりもする。どれだけ好きでも、どれだけ勉強しても、物との距離は永遠に縮まらない。同じ物を見ても、見る人によっても変わってくるだろう。それでも単なる数値的な美しさで物を見ているのか、それとも価値観の違いを感じて興味を示しているのか、曖昧で説明できない境界線があるはずである。皆が惹かれるアイコンの数々。その不確かなアウトラインを探っていきたい。」―石山哲也

 

【作家略歴】

石山 哲也(いしやま・てつや)

1973年埼玉県生まれ。2002年滋賀県立陶芸の森スタジオアーティスト、2003年信楽に工房を設立。招待作家として、2011年台南藝術大学(台湾)、2012PWS(中国、景徳鎮)、2013Uttarayan Art Center(インド)、2015年香港浸會大学(香港)、2018年Hualien Ceramic Art Center(台湾)にて制作。受賞歴に、2001年抹茶茶碗コンテストグランプリ、2002年ユーモア陶彫展銀賞、2003年長三賞陶芸ビエンナーレ入選、2004年アジア彫刻展入選('09)、朝日陶芸展入選('06奨励賞、'08秀作賞)、2005年伝統工芸近畿展入選('10新人奨励賞)、2006年益子陶芸展入選、2007年神戸ビエンナーレ入選('09)、2008年平和堂財団芸術奨励賞、第55回日本伝統工芸展入選、2009年世界陶磁ビエンナーレ入選、第20回日本陶芸展入選、2010年21回秀明文化基金賞、2011年国際陶磁器展美濃入選、菊池ビエンナーレ入選('13)、2013年滋賀県文化芸術奨励賞など多数。主な収蔵先にMIHO MUSEUM(滋賀)、高木盆栽美術館(東京)、新北市立鶯歌陶磁博物館(台湾)、世界陶磁センター(韓国)、景徳鎮陶芸工房(中国)、香港浸會大学(香港)、民芸国際博物館(アメリカ)、デンバー美術館(アメリカ)、ウッタラヤン芸術振興財団(インド)など。

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石山哲也

Vairocana

2018

¥ 484,000 (税込)

石山はこれまで、信楽を拠点に、中国の景徳鎮、台湾、香港、インドなどで、象嵌、金銀彩、ガラスを水面に見立てた水面晶シリーズなど、高い技術を駆使したユニークな作品を制作、発表してきました。本作品は摩滅したような輪郭で、金彩された凹凸のある表面に覆われて、デフォルメされ、本来の細部は消失しています。それにも関わらず、その形状は記憶に働きかけ、慣れ親しんだアイコンのイメージをぼんやりと喚起します。曖昧で不確かなアイコンのアウトラインが私たちの感覚に訴えかけ、見えないものを見せてくれているかのようです。

 

【作家の言葉】

「何故か古いものに魅せられて、狂ったように追い求めてきた。発掘に携わったこともある。購入して手元に来るものもあるし、眼の前にあっても、触ることもできないものもある。どんなに有名なものでも、何度となく見たことのあるものでも、わかったつもりでいて実は何も理解していない。物には制作者の育った環境、宗教観・哲学が込められているはずであるが、鑑賞者からするとただの美術品としての物にしか見えていないのだ。ぼんやりとした雰囲気、パーツを覚えているだけである。なめらかだと思っていても、改めて見たら凸凹だったりもする。どれだけ好きでも、どれだけ勉強しても、物との距離は永遠に縮まらない。同じ物を見ても、見る人によっても変わってくるだろう。それでも単なる数値的な美しさで物を見ているのか、それとも価値観の違いを感じて興味を示しているのか、曖昧で説明できない境界線があるはずである。皆が惹かれるアイコンの数々。その不確かなアウトラインを探っていきたい。」―石山哲也

 

【作家略歴】

石山 哲也(いしやま・てつや)

1973年埼玉県生まれ。2002年滋賀県立陶芸の森スタジオアーティスト、2003年信楽に工房を設立。招待作家として、2011年台南藝術大学(台湾)、2012PWS(中国、景徳鎮)、2013Uttarayan Art Center(インド)、2015年香港浸會大学(香港)、2018年Hualien Ceramic Art Center(台湾)にて制作。受賞歴に、2001年抹茶茶碗コンテストグランプリ、2002年ユーモア陶彫展銀賞、2003年長三賞陶芸ビエンナーレ入選、2004年アジア彫刻展入選('09)、朝日陶芸展入選('06奨励賞、'08秀作賞)、2005年伝統工芸近畿展入選('10新人奨励賞)、2006年益子陶芸展入選、2007年神戸ビエンナーレ入選('09)、2008年平和堂財団芸術奨励賞、第55回日本伝統工芸展入選、2009年世界陶磁ビエンナーレ入選、第20回日本陶芸展入選、2010年21回秀明文化基金賞、2011年国際陶磁器展美濃入選、菊池ビエンナーレ入選('13)、2013年滋賀県文化芸術奨励賞など多数。主な収蔵先にMIHO MUSEUM(滋賀)、高木盆栽美術館(東京)、新北市立鶯歌陶磁博物館(台湾)、世界陶磁センター(韓国)、景徳鎮陶芸工房(中国)、香港浸會大学(香港)、民芸国際博物館(アメリカ)、デンバー美術館(アメリカ)、ウッタラヤン芸術振興財団(インド)など。

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取り扱い 現代美術 艸居
サイズ 18.2 x 6.9 x 1.6 cm
素材 金、プラチナ、石器
商品コード 1100004717
配送までの期間 営業日1~3週間
備考 梱包費込み、送料別
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