韓紙に墨を手指を使って描いた山水画。

飛び散り、滴る墨と指の動きに沿って描き出される山脈は、作家の言葉の通り、自然の持つ雄大さと力強さを見る者に感じされせてくれます。

和紙ではなく、韓紙を使用している点も、同じく山水画が多く描かれる東アジアの一つの国として、作家のもつグローバル性を表現しているかのようです。

 

【作家の言葉】

山水気は山気(さんき水気(すいき)をつないだ造語である。山気とは山の冷え冷えとした空気、また水気は湿っとりとした空気の漢語的表現である。山水画に漂う清浄、静寂な「気」に重ねている。人はそこに漂う「気」を五感以前の未分化な身体感覚をもって受け止める。気、気配といったものを視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚と分けられる以前の総合的感覚で捉えている。自然と人間との交感を可能にする感性とは自然を生命の総合的体系と捉え、自らもその一部であると実感できる感性である。山水画も自然は大きく人は見えないくらい小さく描かれて示唆的である。近年の自然と我々の関係を思うとき、一層「身体と自然」、身体感覚に基づく自然観が求められている。

…作ることは生きること。制作方法もおのずと自然=土、漉き紙と身体がダイレクトに関わり合う。素材と身体が共振することで作品に「気」が発生する。そのプロセスを表す指跡は小手先でなく全身、身体に潜在する可能性のすべてもって打付けられ、押上げられる。

 

【作家略歴】

星野 暁(ほしの・さとる)

1945年新潟県見附市生まれ。1971年立命館大学卒業。1974~80年走泥社会員、1981年国際陶芸アカデミー会員。

70年代から国内各地で個展・グループ展を開催、80年代以降は海外での個展・グループ展にも精力的に参加。ヨーロッパ各国、アメリカ各地、オーストラリア、台湾、韓国、エジプトなど、その会場は世界を股にかける。

主な受賞歴は1979年第5回日本陶芸展文部大臣賞、1980年第2回ジャパンエンバ美術コンクール優秀賞、1998年サントリー美術大賞展―挑むかたち佐治奨励賞。

主な収蔵先に京都国立近代美術館、ニューキャッスル市美術館(オーストラリア)、山口県立美術館、アリアナ美術館(スイス)、ファエンツァ国立陶磁器博物館(イタリア)、ベルトラン美術館(フランス)、エバーソン美術館(USA)、和歌山県立近代美術館、ビクトリア&アルバート美術館(イギリス)、京都市京セラ美術館、陶芸の森陶芸館、愛知県陶磁資料館、ワーハウス美術館(オーストラリア)、西フランドル州立近代美術館(ベルギー)、滋賀県立近代美術館、岐阜県現代陶芸美術館、東京国立近代美術館工芸館、ミネアポリスインステチュートオブアート(USA)、シェーン-ジョセフ国際陶芸美術館(USA)、オークランド美術館(ニュージーランド)、クレイアーク金海美術館(韓国)、ロングビーチ美術館(USA)、台北県立鶯歌陶瓷博物館(台湾)、ヴァルブジェフ美術館(ポーランド)、国際陶芸スタジオ(ハンガリー)、プリンセスホフ陶芸美術館(オランダ)、ヴロツワフナロドヴェ美術館 (ポーランド)、オーストラリア国立美術館(キャンベラ)、ハミルトン美術館(オーストラリア)等多数。

 

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星野暁

山水気19-d7

2019

¥ 605,000 (税込)

韓紙に墨を手指を使って描いた山水画。

飛び散り、滴る墨と指の動きに沿って描き出される山脈は、作家の言葉の通り、自然の持つ雄大さと力強さを見る者に感じされせてくれます。

和紙ではなく、韓紙を使用している点も、同じく山水画が多く描かれる東アジアの一つの国として、作家のもつグローバル性を表現しているかのようです。

 

【作家の言葉】

山水気は山気(さんき水気(すいき)をつないだ造語である。山気とは山の冷え冷えとした空気、また水気は湿っとりとした空気の漢語的表現である。山水画に漂う清浄、静寂な「気」に重ねている。人はそこに漂う「気」を五感以前の未分化な身体感覚をもって受け止める。気、気配といったものを視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚と分けられる以前の総合的感覚で捉えている。自然と人間との交感を可能にする感性とは自然を生命の総合的体系と捉え、自らもその一部であると実感できる感性である。山水画も自然は大きく人は見えないくらい小さく描かれて示唆的である。近年の自然と我々の関係を思うとき、一層「身体と自然」、身体感覚に基づく自然観が求められている。

…作ることは生きること。制作方法もおのずと自然=土、漉き紙と身体がダイレクトに関わり合う。素材と身体が共振することで作品に「気」が発生する。そのプロセスを表す指跡は小手先でなく全身、身体に潜在する可能性のすべてもって打付けられ、押上げられる。

 

【作家略歴】

星野 暁(ほしの・さとる)

1945年新潟県見附市生まれ。1971年立命館大学卒業。1974~80年走泥社会員、1981年国際陶芸アカデミー会員。

70年代から国内各地で個展・グループ展を開催、80年代以降は海外での個展・グループ展にも精力的に参加。ヨーロッパ各国、アメリカ各地、オーストラリア、台湾、韓国、エジプトなど、その会場は世界を股にかける。

主な受賞歴は1979年第5回日本陶芸展文部大臣賞、1980年第2回ジャパンエンバ美術コンクール優秀賞、1998年サントリー美術大賞展―挑むかたち佐治奨励賞。

主な収蔵先に京都国立近代美術館、ニューキャッスル市美術館(オーストラリア)、山口県立美術館、アリアナ美術館(スイス)、ファエンツァ国立陶磁器博物館(イタリア)、ベルトラン美術館(フランス)、エバーソン美術館(USA)、和歌山県立近代美術館、ビクトリア&アルバート美術館(イギリス)、京都市京セラ美術館、陶芸の森陶芸館、愛知県陶磁資料館、ワーハウス美術館(オーストラリア)、西フランドル州立近代美術館(ベルギー)、滋賀県立近代美術館、岐阜県現代陶芸美術館、東京国立近代美術館工芸館、ミネアポリスインステチュートオブアート(USA)、シェーン-ジョセフ国際陶芸美術館(USA)、オークランド美術館(ニュージーランド)、クレイアーク金海美術館(韓国)、ロングビーチ美術館(USA)、台北県立鶯歌陶瓷博物館(台湾)、ヴァルブジェフ美術館(ポーランド)、国際陶芸スタジオ(ハンガリー)、プリンセスホフ陶芸美術館(オランダ)、ヴロツワフナロドヴェ美術館 (ポーランド)、オーストラリア国立美術館(キャンベラ)、ハミルトン美術館(オーストラリア)等多数。

 

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取り扱い 現代美術 艸居
サイズ 92.0 x 61.5 x cm
素材 韓紙に泥入り墨
商品コード 1100001742
配送までの期間 営業日1~2週間。
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